国際的な銀行規制を所管するバーゼル銀行監督委員会は11月16日、気候関連リスクに関する原則案を公表した。なぜ銀行規制当局が気候関連リスクに注目するのか。同委員会の元メンバーである山岡浩巳氏が解説する。連載「ポストコロナのIT・未来予想図」の第63回。

 国際的な銀行規制を所管するバーゼル銀行監督委員会(本拠はスイス・バーゼル市、以下「バーゼル委員会」)は11月16日、「気候関連金融リスクの実効的な管理と監督のための諸原則」(Principles for the effective management and supervision of climate-related financial risks)と題する文書を公表しました。この文書は、銀行の気候関連リスクに関連する18の原則案を示し、来年2月16日まで市中からの意見を募集しています。