2021年から2025年まで「働き方改革ロードマップ2.0」に取り組む神戸市役所。働き方改革の柱には「『市民サービス改革』と『職員の新しい働き方と組織風土改革』の2点を位置付けている。
「(市役所内の)システム面も整っていない状態から始めたので、まずは企業でも一般的な勤務体系の充実やモバイル通信などを部局内に浸透させることから始めました」と、行財政局業務改革課の仮屋芙由実さんは語る。
始まりは2017年。市役所の全職員で働き方改革に取り組むとともに、意識醸成・制度・技術の面からの改革を加速させるため、働き方改革推進チームを結成した。まずは2018年に「やめる・へらす・かえる」の視点で事務を総点検してロードマップ1.0を策定し、内部改革から着手した。
取り組んだ内容は多岐にわたる。全庁共通のグループウエアやコミュニケーションツール等の導入、育児・介護職員が主な対象だったフレックスタイム制や在宅勤務制度を全職員に拡大、内部書類の捺印の電子決裁、会議等のペーパーレス推進とウェブ会議導入・・・。急激な変化は職場で受け入れられないことも多いが、仮屋さんは空気感を作るコツを説明する。
「市長や副市長などトップダウンの影響は大きいです。例えばペーパーレス化が本格開始されてからは、各局室区長室に会議用の大型モニターが設置されました。環境を整えた上で、メッセージも繰り返し発信していくことで、『内部の打ち合わせはモニターを使用する』との意識が浸透していきました」
神⼾市職員の志である『神⼾市クレド』には、「どんなときも、市民目線で」「変化を捉え、果敢にチャレンジ」など、時代や社会の変化に対応した判断や行動を職員に求める行動指針が並ぶ。クレドは執務室や会議室に掲示されており、全職員に携帯用のクレドカードも配布している。一人一人が神戸市の目指す姿を常に意識していることが背景にある。