あなたの会社の競争力は?

 競争のない環境下で経営を行うことができれば、新しいことにチャレンジしなくても、今までと同じやり方で経営を行っていても、なんら問題はない。しかし、残念ながら、ほとんどの会社は国内外のライバルとの競争に打ち勝つべく、経営を行わなくてはならない。

 会社の競争力とはいったいなんだろうか。会社や事業は、環境変化に順応し、ライバルとの競争に打ち勝ち、存続し続けることが求められる。そのためには
常に新しい市場や顧客を創り続ける「事業開拓力」
今の市場や顧客から選ばれ、付き合い続ける「事業継続力」
の2つの力が必要である。

 この2つの力は、企業が成長し、生き続けるために、経営のライフサイクル視点で、経営モデルをどう作り上げるかという競争力といえる。

 会社の競争力はこのほかにも、例えば「経営機能」や「経営資産」の視点から見ることができる。

◆経営機能面
新しい製品やサービスを考え、生み出す「企画・開発力」
・企画・開発された製品やサービスを作り出す「調達・生産力」
・作り出された製品やサービスを買ってもらい、使い続けてもらう「営業力」

◆経営資産面
・製品力(主に製造業)
・サービス力(主にサービス業)
・人材力
・資金調達力
・マネジメント力
などが挙げられる。

 これらの競争力はそれぞれが複雑に関係している。例えば、事業開拓力を高めるためには、よりよい製品やサービス(製品力。サービス力)を買ってもらうことが必要となり、そのためには、どのような市場や顧客に対してどのように販売するか(営業力)、さらにはその活動をいかにうまく行うか(マネジメント力)、それを行う人の能力をどう高めるか(人材力)・・・といった具合である。

 会社の競争力は、見方によっていろいろなものがあり、全ての競争力を高めることは一朝一夕にできることではない。貴社にとっての競争力とはなにかを整理すること、今現在、必要となる競争力はなにかを決めることと、それをどこまで高めるかを描くことが重要である。
また、会社で行っているいろいろな活動が、どの競争力の強化につながるものなのかを明らかにすることで、その活動の必要性や重要性が見極められる。

コンサルタント 松本賢治(まつもと けんじ)

デジタルイノベーション事業本部 シニア・コンサルタント

調達、生産、物流、販売にわたるサプライチェーン全般を対象とし、長年数多くの企業を支援してきた。多様化するものづくり分野における豊富なコンサルティング経験をもとに、現在は「IoT活用イノベーションマップ」、「現場IoT7つ道具」などを開発、製造業のDX推進を支援している。