ツイッターやフェイスブックも対策強化

 他のSNS(交流サイト)大手も、新型コロナの偽情報拡散防止に向けた取り組みを強化している。米ツイッターは20年5月、誤情報投稿をユーザーに警告する仕組みを導入した。誤解を招く恐れのあるツイートや、真偽が問われている情報を含むツイートに対し、事実を確認するよう促す警告ラベルを付け、信頼のおける外部サイトへのリンクを表示する措置を取った。

 20年12月には、これをコロナワクチンにも拡大。科学的事実に基づかない陰謀論などに警告ラベルを付けた。ウォール・ストリート・ジャーナルの別の記事によると、21年3月にはさらに踏み込み、違反5回でアカウントを永久停止にする措置も取った。

 米フェイスブックも20年1月に、コロナ関連の虚偽情報を削除する方針を表明。誤った治療法や予防法を伝えたり、確かな医療情報に関して混乱を生じさせたりするなど、身体に害を及ぼしかねないコンテンツを削除し、情報共有しているユーザーにも警告を発している。

 フェイスブックはその後「新型コロナウイルス情報センター」を設置。ここで各国の保健当局やWHOなどの国際機関からの最新情報を提供している。20年10月には、反ワクチンを主張する広告を禁じる方針を明らかにした。

バイデン氏「彼らは人々を殺している」

 ただ、それでも誤情報の投稿は後を絶たず、対策はモグラたたきのようだと指摘されている。科学的事実に基づく情報の投稿に対し、反ワクチンのコメントが多数付けられることも多いと指摘されている。また、英国の非営利団体デジタルヘイト対策センター(CCDH)は21年3月、SNS上にあるワクチン誤情報の65%をわずか12人が発信しているとする調査結果を公表した。

 こうした状況や米国でのワクチン普及ペースの伸び悩みに苛立ちを覚えたのか、バイデン米大統領は21年7月、記者団からSNSについてのコメントを求められ、「彼らは人々を殺している」と異例の表現で批判した。同氏は後日、「誤情報を拡散しているユーザーを非難したものだ」と釈明したものの、SNSは対策を強化する必要があるとの考えをあらためて示した。

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