マイクロソフトのニューヨークオフィス(写真:AP/アフロ)

 米国防総省が米マイクロソフト(MS)とのクラウドサービス契約を白紙撤回したと、米ウォール・ストリート・ジャーナル米CNBCなどが7月6日に報じた。計画を仕切り直し、新プロジェクトを立ち上げる。今度は複数の企業に発注する考えだという。

MSやアマゾンなどに発注するマルチベンダー方式へ

 マイクロソフトは2019年10月、「JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)」と呼ばれる国防総省のITシステム近代化計画に関するクラウドサービス契約を受注した。期間は同省がオプション契約の全選択権を行使した場合で10年。発注額は最大で100億ドル(約1兆1100億円)になるというものだった。

 だが、米アマゾン・ドット・コムは19年11月、入札過程にトランプ米大統領(当時)の政治的な影響力が働いたと主張し米政府を提訴。米連邦請求裁判所が20年2月にマイクロソフトとの契約の一時差し止めを命じ、計画は保留になっていた。

 国防総省は21年7月6日付の発表資料で、クラウドサービスに関する要件の進化や技術の進歩など状況の変化を理由に挙げ、「JEDI契約はもはやニーズを満たさなくなった」と説明。新たに立ち上げるプロジェクト「Joint Warfighter Cloud Capability(JWCC)」では複数社のサービスを導入するマルチベンダー方式を採用するとした。

 まず、同省の要件を満たせると考えられる、マイクロソフトとアマゾン傘下の「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」から提案を受ける。また市場調査を行い、他の米企業にも発注できるかどうかを調べるとしている。