プロジェクトは「4つの状態のループ」が原因で失敗する

 これまでのような対面でのコミュニケーションを基本とし、お互いの顔色が常に分かるような距離感での働き方やマネジメントが前提になるような日々は、当分戻ってくることはないだろう。

 だからこそ、ここで考えてもらいたいのが、Beforeコロナに物事は全てうまくいっていたのか、ということだ。筆者の職場であるPMの現場を見てみよう。

 2018年に『日経コンピュータ』が行った『ITプロジェクト実態調査』によれば、プロジェクトの成功率は52.8%であった。2008年の調査では31.1%というから、その頃よりはプロジェクトの成功率は徐々に上がってきている。とはいえ、いまだ半数近いプロジェクトが成功していない状況にあるのが、プロジェクトマネジメントの現場だ。

 プロジェクトはなぜ失敗するのか。筆者は4つの状態のループが原因と考えている。
状態① 計画がずさん:目的やゴール設定が不明確であり、計画自体もメンバーにしっかりと共有されていない状態。
状態② 状況が見えない:そもそも状況を現場から吸い上げる仕組みがない。メンバーからの報告も、定性的かつ主観的な報告ばかりで正確な状況把握ができない状態。
状態③ 問題を解決できない:問題自体の整理ができない。解決するための体制や意思決定者も曖昧な状態。
状態④ 目の前のことばかり:問題は出たとこ勝負の対応となっている。“喉元過ぎれば”のメンタリティで、同じ失敗を繰り返す状態。だから、次のプロジェクトでも状態①から始まってしまう。

 PMの「基本」ともいうべき、目的の明確化、しっかりとした計画策定と状況の可視化をおろそかにすると、上記のような状態が発生してしまう。それを、現場メンバーはハードワークを基本とし、計画や仕組みの曖昧さなどのマネジメント不備を「空気を読む」「文脈を理解する」「顔色をうかがう」という旧来からのコミュニケーション手法で何とか補完してきたというわけだ。