LPWAとGPSで徘徊の検知・発見が可能に

省電力で長距離通信が可能なLPWAの特性を生かす

栗原 雅/2021.1.26

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所在地を通知する“タグ”を杖などに付けておけば、徘徊する高齢者の位置を把握できる(写真提供:テクノスジャパン)

 低消費電力で長距離の通信が可能な無線ネットワークLPWA(省電力広域無線通信)の利用例が広がっている。その一つが、徘徊する高齢者の捜索支援システムだ。

 福祉機器の開発・販売を手掛けるテクノスジャパンの「お散歩コール」は、LPWAによる通信機能とGPS(全地球測位システム)を使い、所在がわからなくなった高齢者の現在位置をメールなどで通知できる。

LPWAでタグの位置情報を送信

 お散歩コールを利用するには、「お散歩タグ」と呼ぶ小型の機器を高齢者が普段の歩行時に使っている杖やシルバーカー(手押し車)に取り付けておく(写真1)。

写真1 杖に取り付けた「お散歩タグ」

 お散歩タグは、LPWA通信とGPSの機能を持つKDDIのIoT向け通信モジュール「KYW01」とバッテリーを内蔵している。待機電力や消費電力が小さいので、1回の充電で約1カ月間使える。

 LPWAにはいくつかの仕様があるが、KYW01は第4世代(4G)携帯電話網を利用するLTE-Mを使っているため、全国の大部分の地域で通信が可能だ。お散歩タグの位置情報は3分から10分間隔で送信される。

 事前に設定した通知条件を満たすと、家族などのスマホに位置情報のリンクを記載したメールを送る。自宅から一定の距離が離れた、外出してから一定時間が経過したなど、通知条件は細かく設定できる。メール受信者がリンクをタップすると、お散歩コールのアプリの地図上で高齢者の所在地を確認できる。スマホアプリでは最新の位置情報も把握できるので、メール受信後、捜索のために現地に向かうまでに高齢者が別の場所に移動してしまっても、捜索範囲を絞り込める。