ANAの働き方改革、業務支援ツールをアジャイルに改善

アジャイル化と内製化が進むソフト開発

鶴岡 弘之/2019.10.21

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パートナーとの共同開発を通してスキルアップ

 ではイノベーション推進部では、どのようにソフト内製の体制をつくろうとしているのか。

 スキルのあるエンジニアを雇い入れる、講師を招いて教育してもらうなど、さまざまな方法が考えられるが、彼らは、実際に自分たちでソフトを開発しながらスキルを身に着けていく方法を選択した。

 そのパートナーとなったのが、永和システムマネジメント(以下、永和)だ。永和は、福井県福井市に本社を構えるソフト開発会社である。社長の平鍋健児氏は、2000年代初頭からアジャイル開発の普及活動に取り組み、日本のアジャイル開発の第一人者として知られる(JBpressへの寄稿記事一覧はこちら)。

 永和は2018年10月に、顧客と共同でアジャイル開発を進めるための開発拠点として社内に「Agile Studio Fukui(アジャイルスタジオ福井)」を開設し、リモートでアジャイルチームが顧客を支援する「リモートアジャイル開発」、顧客とチームを組み内製化を支援する「共創」、顧客の技術転換を支援する「共育」といったサービスを提供している。

畳のミーティングスペースがある「Agile Studio Fukui(アジャイルスタジオ福井)」

「リモートアジャイル開発」とは、一方的な受発注の関係ではなく、永和が開発パートナーとして加わり顧客とともにアジャイルでソフトを完成させていくサービス。ANAのイノベーション推進部は2019年9月からこのサービスを利用し、空港の業務改善、効率化のための4つのシステムをアジャイルスタジオ福井のITエンジニアと共同開発している(アジャイルスタジオ福井のスタッフは福井でリモート開発する)。

 同時に「共育」サービスも活用。共同開発を通して、アジャイルスタジオ福井のITエンジニアに、ソフト開発の進め方、プログラミングなどの技術をレクチャーしてもらった。具体的には、モブプログラミング(複数人が1つのコンピュータを使って行うプログラミング)の形で、「G Suite」ベースのWebシステムをGAS(Google Apps Script)とAppMakerを使って開発する手法を学んだ。

(注:「G Suite」はGoogleのグループウエアサービス。「GAS」はG Suiteプラットフォーム上の軽量アプリを開発するためのスクリプトプラットフォーム。「AppMaker」はG SuiteベースのWebアプリを開発するためのローコード開発ツール)

ANAでの「共育」の様子