●ウェザーニューズ、One Concern、損害保険ジャパン日本興亜による「防災・減災システム」

 災害大国、日本。本来災害マネジメントには減災・準備・対応・復旧の4つのステージがある。しかし日本は災害大国であり、気象データや被害情報、避難所や救援物資の情報等、様々なデータを所有しているにも関わらず、自治体間や官民の連携不足により、防災・減災まで活用しきれていない現状がある。

 そうした課題を前に、ウェザーニューズ、One Concern、損害保険ジャパン日本興亜の3社は、「防災・減災システム」の展開を発表した。ウェザーニューズが提供した過去の気象データや最新の予測データをもとに、One Concernが減災・防災シミュレーションを行う。実際に災害が起きてからでは遅い。逃げ遅れを0にすることを目標に、150超の自治体へのビジネスドメインを抱える損害保険ジャパン日本興亜が、シミュレーションを展開する。

内閣府:Society 5.0 資料より 新たな価値の事例(防災)
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 このように災害が起こる前に、被害予測や避難経路予測等を行い、対策を練っておくことで、社会全体としても、実際に災害が発生した際に、被害を軽減することができる。さらに今後ドローンや自動配送車による救援物資の最適配送が行えるようになれば早期復興にもつながるだろう。未曾有の災害が起きたときでも一人ひとりがすぐに対処でき、立て直せる社会へ。Society5.0では防ぎきれない災害に対して、人それぞれに合わせた防災が求められている。

Society5.0で生き残るために

 このように一人一人にとって生活がより安全でスマートな生活となるよう、社会全体で最適化を目指すSociety5.0。その実現に向けては、官民連携で(あるいは官民さえ区別することなく)、業界を超え、それぞれが得意分野をいかした形で共創していく必要がある。Society5.0が実現すれば、仕事や子育て、老後に至るまで、一人一人のライフデザインは大きく変化していくだろう。今は存在していない新たな価値創造の基盤が誕生しているかもしれない。その共創イノベーションには、誰もが関わることができるからこそ、日本として、企業として、あるいは個人としてどう参画するか、今から在り方を考えておくことも必要だろう。