本コンテンツは、2019年3月1日に開催されたJBpress主催「Digital Innovation Forum 2019 <春> ~デジタル変革によるイノベーションの実現~」でのパネルディカッションの内容を採録したものです。

(パネリスト)
・SOMPOホールディングス株式会社
  グループCDO 常務執行役員 楢﨑浩一氏
・株式会社パルコ

  執行役 グループデジタル戦略室担当 林 直孝氏
・株式会社サンリオエンターテイメント 取締役 CDO

  サンリオピューロランド館長 小巻亜矢氏

(モデレータ)
・一般社団法人CDO Club Japan
  代表&創立者 加茂 純氏

“技術ありき”ではなく“経営目標ありき”がDXのあるべき姿

加茂:本日のパネルディスカッションのテーマは表題で示した通り「いかに新規ビジネスを構築していくか」と「企業カルチャーをどう変革すればよいのか」の2つです。これまで私たちCDO Club Japanは、日本のあらゆるCDOおよび経営者、そして世界各国のCDOとともに議論を交わしてきましたが、結局この2つのテーマこそがデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)達成において、誰もが突き当たる壁であり課題だと捉えるようになりました。

 そこでまず「新規ビジネス構築」について、皆さんのご意見や現状をお聞きしたいのですが、私としては「DXをやれ」「ブロックチェーンを使って何かやってみろ」というトップからの闇雲な号令からスタートするのではなく、「われわれは何のために変革をするのか」というパーパス、つまり目標を明確にすること。それがあるべき「はじめの一歩」だと思うのですがいかがでしょうか?

楢﨑:パーパスについて、SOMPOは最初から明快でした。「真のサービス産業」となることが今後のわれわれの目標であり、そのための挑戦において、デジタルも積極的に活用していこう、というメッセージをトップが内外に打ち出しています。

SOMPOホールディングス株式会社 グループCDO 常務執行役員 楢﨑浩一氏

:パルコもパーパスについてはSOMPOさんに近い発想からスタートしています。われわれが新しいチャレンジを考え、実行する上でベースにしている目標は「接客を拡張する」というもの。テクノロジーは今まで実現できなかった「より良い接客」の実現のために利用するというものと考えています。加茂さんが指摘していたように、「テクノロジー発」の姿勢でDXに入っていくのは違うだろう、という考えています。

株式会社パルコ 執行役 グループデジタル戦略室担当 林 直孝氏

小巻:私たちサンリオピューロランドもSOMPOさんやパルコさんと同じ価値観を尊重しています。当社の目標は2つあって、1つは全方位で「カワイイ」という価値をお客様に体験してもらおう、というもの。もう1つがサンリオの世界観をよりグローバルに広めていこうというもの。この大きな2つの目標を実現するために、最新の技術をどう組み込んでいくか、というのがテーマになっています。

株式会社サンリオエンターテイメント 取締役 CDO/サンリオピューロランド館長 小巻亜矢氏