産業用IoTも「サブスク」で利用する時代に

IoTベンチャー、アムニモが業界に与えたインパクト

堀田 栄治/2019.6.26

いいね ツイートする

 1カ月単位で利用できるという手軽なIoTサービスが登場した。産業用IoTベンチャーのアムニモが開発した「amnimo sense beta(アムニモ センス ベータ) 以下、amnimo sense」がそれだ。導入に関わる部分をパッケージ化し、データ取得、運用の基本サービスを月額課金のサブスクリプションモデルで提供する。IoTを導入したくても投資余力が乏しく、専門人材もいない中小企業にとって有力な選択肢の1つになりそうだ。

中小企業のIoT推進を阻害する3つの要因とは

 IoTがもたらすインパクトが喧伝されて3~4年が経過した。先端テクノロジーのなかでもIoTは黎明期を過ぎて本格的な普及期を迎えようとしており、その傾向は特に大規模製造業において顕著だ。業務の効率化や生産性向上を目的にIoTの導入が進むほか、先進的企業においては、新たな価値創造やイノベーションの創出にもつなげる取り組みがなされている。

 しかし残念ながら、そうした事例は中小企業からあまり聞こえてこないのが現状だ。その理由は3つある。1つ目は、大企業や中堅企業に比べて、投資余力が低いことが挙げられる。その結果、経営者は「経営効果の見えないものに手を出すリスクは取れない」と尻込みしてしまうのだ。2つ目は、専門知識を持つ人材を確保・育成が難しいことだ。社内で推進組織を置くことができなければ、外部のシステムインテグレーターに導入プロジェクトを委託することになるが、当然、膨大なコストと時間がかかる。そして3つ目は、IoTが新しい価値の創造の手段として大きく捉えられがちであるため、自分たちの業務とは程遠いと判断されがちな点である。現場の苦労している業務をいかに楽にできるかという困りごとの改善とIoTを現場感覚でうまく結びつけられにくいという実態がある。

 産業用IoTベンチャー、アムニモが提供する「amnimo sense」は、そうしたコストと専門知識という中小企業のIoT推進を阻害する2つの要因を取り除くために開発された。アムニモは2018年5月に発足した横河電機の100%子会社である。

 amnimo senseの最大の特徴は、センサーからのデータ取得、運用までに必要な機能をすべて内包している点だ。センサー接続のためのプログラミングや回線契約、クラウド設定などを行わずに“プラグ・アンド・プレイ”で標準機能を利用できる。セキュリティや運用状況はアムニモが監視。サービスは月額課金のサブスクリプションモデルで提供する。


 アムニモのサービス企画責任者、池上大介氏は次のように意気込みを語る。「WiFiやBluetoothなどの無線ネットワークが身近になり、さらに今後、5Gなどによってネットワークパフォーマンスが拡大し、センサーも多様化するなかで、産業用IoTはもはや技術者のためだけのものではなく、一般企業のマーケティングやサービスのなかに浸透していくことになります。そうしたなかで、技術やソリューションがパッケージ化され手軽に始められるamnimo senseの潜在的なニーズは大きいと考えます」

アムニモ株式会社 マーケティング担当 池上 大介氏