サブスクリプション時代の企業と顧客の関係性
サブスクリプション型のサービスにおいて、顧客との関係性は「売ってしまえば終わり」では無い。契約が結ばれた瞬間、顧客との関係が「始まる」のだ。改善を怠り、そのサービスが顧客の期待に沿うものでなくなってしまえば、たちまち解約されてしまうからだ。獲得した顧客に継続して利用し続けてもらうために、顧客の求める価値を正確に把握し、改善し続けていく必要がある。そのためのカスタマーサクセスなのだ。
つまりカスタマーサクセスが目指すべき具体的な目標とは、解約率(チャーンレート)を低減したり、より高額な上位のサービスに乗り換えてもらう(アップセル)ことで顧客単価を引き上げたり、アクティブ率を向上したりといったことになる。カスタマーサポートのように、顧客の一人ひとりから不満の声が挙がるのを待っていては遅すぎるのだ。正しい顧客層にできるだけ長くサービスを利用し続けてもらうにはどうしたら良いか、常に顧客に寄り添って考えていく必要がある。
米国では、カスタマーサクセスは職種や部門名としても広く定着しており、極めて重要なポジションに位置付けられている。自分たちのサービスを通じて顧客に「成功」してもらうには、どのような体験を提供すれば良いのかを考える同ポジションは、今後日本企業においても存在感を増していくのではないだろうか。