2018年のCDO of the Yearは岩野氏と楢﨑氏

壇上で握手を交わす楢﨑氏(左)と岩野氏(右)

 その後、2018年の「CDO of the Year」が発表され、パネルディスカッションにも参加していた三菱ケミカルホールディングスの岩野氏と、SOMPOホールディングスの楢﨑氏が2人そろって受賞した。その直後、2017年の受賞者であるLDH JAPANの長瀬氏が登壇。「デジタル時代に生まれたCDOの素質」をテーマにスピーチを行った。

 「先ほどのパネルディスカッションでも言ったように、デジタルが当たり前な時代が来て、CDOというポジションも『チーフ・ドリーム・オフィサー』になればいいと思っています。なんなら『チーフ・ドリンキング・オフィサー』でもいいです(笑)」と語り、場内に笑いを呼び込んだ長瀬氏だが、全てが冗談ではなかったようだ。

 「CDOの重要な素質」の一つとして「どんな境界線や障壁を越えてでも仲良くなれるキャラクター」があることを示したからだ。「今年のCDO of the Yearを受賞したばかりの岩野さんや楢﨑さんをはじめ、今日ここで登壇した方々を見ればお分かりでしょう? 皆さんとてもチャーミングなんです。そして、これこそがCDOに問われる素質だと私は確信しています」

 こう語った長瀬氏は、だからこそ「多くの人と語り合える共通言語」を持っていることの重要性も強調する。CIOとCDOの違いが「全社員を相手にした旗振り役」であることを指摘した上で、「スペシャリスト in ジェネラル」こそがCDOに求められる素質であり、こうした素質の持ち主を育てていく使命も自分たちにあるのだと主張した。

文化は戦略に勝る

一橋大学 教授 / CDO Club Japan 顧問 神岡太郎氏

 最後の登壇者、一橋大学の神岡太郎教授からのメッセージは「変えるデジタルから、創るデジタルへ」。組織の根幹から変えなければ、トランスフォーメーションなど不可能だと語り、戦略の実行だけでは難しく、そこにカルチャーが密接に絡んでくることを示した。まさに今回のイベントを通じてフォーカスされてきた点を総括するような指針の最後に、神岡氏がスライドに示したのがドラッカーの言葉。

「Culture Eats Strategy for Breakfast. 文化は戦略に勝る」

 成果が問われる2019年、CDOたちはどのようにカルチャーを変革していくのだろうか。