借入による「デット・ファイナンス」
デット・ファイナンスは「借入」による資金調達法だ。下記のような手法がそれにあたる。
・調達法④:銀行からの融資
・調達法⑤:社債
・調達法⑥:公的機関からの融資
・調達法⑦:資本性ローン
・調達法⑧:親族や知人等、個人からの借入
デット・ファイナンスのメリットは、前述のエクイティ・ファイナンスと違い金融機関等の“資金の出し手”が経営に口を出してくることがない点や、投資家たちの顔色を伺う必要がない点だろう。デメリットは期限までに利息込みで返済する義務が生じる点や、自己資本比率が下がる点が挙げられる。無理のない借入額や返済期間を設定したいところだ。
せっかく起業するのだから自分の思うように経営していきたいと考え、デット・ファイナンスを選ぶ企業もあるだろう。しかし起業時や起業直後では、最も身近に思える「銀行からの融資」を受けるのは困難だろう。銀行の審査は非常に厳しく、最低でも起業から三期以上経っている企業でないと審査を通過できないとも言われているからだ。また、スタートアップの起業時には、そもそも「創業時から負債を抱えたくない」という思いから銀行などからの融資は敬遠しがちかもしれない。
そこで、まずは以下の創業融資制度の活用(調達法⑥)を検討したい。
・日本政策金融公庫の「新創業融資制度」
・信用保証協会の「制度融資」
特に、創業資金の調達先として第一の選択肢に挙げられるのが新創業融資制度。無担保・無保証人で利用できる上に、制度融資に比べて融資速度も速い。融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)だ。
実績のない企業にとっては貴重な資金調達源である一方で、当然ではあるが審査は行われる。実現可能な事業計画を入念に練ってから審査に臨もう。
<デット・ファイナンスのメリット>
・出資者(金融機関)が経営に口出ししてこない
・株主への配当政策が不要なので本業に集中できる
<デット・ファイナンスのデメリット>
・利息込みの借入金を期限までに返済しなければならない
・自己資本比率が下がる