エー・エル・アイが開発中の空飛ぶバイク「Speeder One」

 エンターテインメント業界、運輸業界、エネルギー業界などの大手企業から注目を集めているベンチャーがある。2016年10月設立のエアリアル・ラボ・インダストリーズ(エー・エル・アイ)だ。人が実際に乗って運転できる空飛ぶバイクや小型無人機ドローンの開発、フィンテック技術のひとつとして注目されるブロックチェーンを利用した分散型ネットワーク基盤や製品の開発、人工知能(AI)関連技術の開発など、最先端のテクノロジーを生かした事業を次々と立ち上げようとしている。

写真1 ALI Energy代表取締役の渡慶次道隆氏

 そのエー・エル・アイが2018年7月、新たな電力ソリューション事業を手掛ける会社ALI Energy(ALIエナジー)を設立した。リゾート地や離島でエネルギー効率を高めるインフラの整備、さらには企業や家庭が発電した電力を収入に変える仕組みを開発する。外資系金融や大手総合商社を経て新会社の代表取締役に就任したエー・エル・アイの渡慶次道隆執行役員は、「海外で実証実験を始めるなど2019年から計画をどんどん実行に移していく」と意気込む(写真1)。

自律制御型のエネルギーインフラをリゾート地などで実験

 ALIエナジーはまず、海外のリゾート地や観光地におけるエネルギーインフラ整備の実証実験を2019年にもスタートさせる予定だ。国内の通信会社や米国のエネルギー企業と技術面で協働し、再生可能エネルギーの利用を主とする離島で開発中のリゾート地や、世界遺産に登録された遺跡を有し多くの観光客の支持を集めている地域において、島内・域内の移動手段として電気自動車や電動バイクを多数展開した際の充電設備の運用方法などを検証する。