国内唯一のユニコーン企業、メルカリ

今や国内でその名を知らぬ者はいないだろう、フリマアプリ「メルカリ」。
6月にはCBO(Chief Business Officer)にGoogleやFacebookで要職を務めたジョン・ラーゲリン氏を迎えたことでも、その急成長ぶりが話題になった。

過去には現金や領収書、チャージ済み交通ICカードなどのぎょっとするような物が出品され、度々ネット上でも話題になっている。最近では中学生がウイルスアプリを販売し、購入した少年らが書類送検されたことが報道された。
メルカリを利用したことがなくとも、そうした話題はよく耳にする、といった読者も多いのではないだろうか。

とはいえ、定期的にこうした話題が噴出するということは、それだけユーザーが多いことの裏返しでもあるのだ。
現に今、メルカリは国内で唯一のユニコーン企業であると言われている。

ユニコーン企業とは、非上場でありながら企業としての評価額が10億ドル(約1100億円)を突破している有望ベンチャー企業のこと。現在ユニコーン企業は世界22か国にあるが、そのほとんどが米国(42.1%)と中国(38.9%)の企業である。

フリマアプリというサービス自体の斬新さが、国内外での評価につながったのだろうか? と考えてしまいそうになるが、それは違う。

なぜなら、日本国内初のフリマアプリはメルカリではなく「フリル」である。フリルのサービス開始は2012年7月であり、2013年7月に開始されたメルカリに対し1年間のアドバンテージがあった。当時フリルは初年度から黒字を達成したことで話題となり、先行者利益も確かにあったはずだ。

では、現在フリルをはじめ他のフリマアプリの状況はどうなっているのだろうか。メルカリとは何が違うのだろうか。詳しく見ていこう。

国内フリマアプリ市場は現在メルカリの一強

メルカリの後を追うフリマアプリは多々あるが、上位3社の国内ダウンロード数は以下の通り(メルカリ、フリルの数字は各社リリースより)。

・メルカリ:5000万件(2017年6月30日時点)
・フリル:850万件(2017年6月1日時点)
・ラクマ:400万件(2016年11月24日時点・楽天とFablick合同で行われた概況報告会で公表)

清々しいほどにメルカリの独断場だ。

フリルを運営するFablicは2016年9月5日からラクマを運営する楽天グループの傘下に入っている。とはいえフリルとラクマのダウンロード数を合計しても、メルカリの4分の1に留まる状態だ。

また、過去には以下のように「いずれメルカリに並ぶ」と期待されたフリマアプリもあったが、結局メルカリに太刀打ちできずに消えていったサービスも多い。

・ZOZOフリマ:2017年6月30日終了
・LINE MALL:2016年5月31日終了
・STULIO(ストゥリオ):2016年1月8日終了

特にZOZOフリマには大きな期待が寄せられていたが、結果2015年12月のサービス開始からわずか1年半での撤退となった。

このように、フリマアプリの中でもメルカリ「だけ」が急成長していっている理由は一体どこにあるのだろうか。成功したかは置いておくにしても、有名企業がこぞってフリマアプリ市場に参入しようとするのは何故なのだろうか。

それを探るために、国内の中古品市場を見ていこう。