1月18日、Amazon.co.jpがAmazon Launchpadを日本でも開始することを発表した。「Amazon Launchpadストア」でスタートアップによる製品群を紹介・販売を支援していくものだ。

Webサービスやアプリケーションなどを事業とするソフトウェア系スタートアップと異なり、IoT分野などのスタートアップはハードウェアなど「リアルなもの」をユーザーに利用してもらう必要性がでてくる(IoT Todayでも多数紹介してきたように)。

この時、最大の難関は「ユーザーに製品をどう届けるか」ということだ。スタートアップの大半は開発メンバーのみの構成が多い。自社のWebサイトにECシステムを導入しても、認知度は低く、発注後の配送や台帳管理などの手間は得意領域ではないといっていいだろう。

そこで、オンラインストアとしてすでに認知のあるAmazonの中で、ショッピング体験のあるユーザーに製品を買ってもらおうというのが、この「Amazon Launchpadストア」だ。

国内同ストアでは、現在、ウェアラブルデバイス、スマートホーム、知育・学習玩具など250を超える製品を取り扱っている。日本のスタートアップも15社以上参加している。

今回の国内ストア開始に協力をした一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会 会長 仮屋薗聡一氏は次のように話す。

「『Amazon Launchpad』は日本のIoTスタートアップが待ち望んでいたプログラムといえるでしょう。このプログラムでは、世界の顧客へのアクセスのみならず、ブランディング・プロモーションまでもAmazonよりサポート頂けます。これはものづくりに特化したスタートアップにとってのまたとない成長機会となることでしょう」

Amazonは、出版でも「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング」で出版社を介さず、書き手が作品を発表・収益化する場を提供してきた。Webサイトで連載していたものを2011年にKindleで出版した「火星の人」(アンディ・ウィアー)は発売3カ月で3万5000ダウンロード。同書を原作にした映画「オデッセイ」は監督がリドリー・スコット、主演はマット・デイモンで大ヒットしている。

「Amazon Launchpadストア」によって、IoTスタートアップが大企業と同じように製品を多くのユーザーに届けるようになれば、もはやハードウェアも大企業だけができるビジネスとは言えなくなってくる。

Amazon Launchpadストア
http://www.amazon.co.jp/launchpad