大辻雄介の「教育のIoT思議」 第7回:教育のICT活用で浮かび上がる課題とは

IoT時代において、人間の『考える力』の価値は一体どこにあるか

大辻 雄介/2017.1.13

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あらゆるモノにAIが搭載され、あらゆるモノがインターネットにつながっている現代において「まったくインターネットが通っていない場所」を探すのは日本ではもはや難しくなっています。

多くの職場にはコンピュータがあるでしょうし、建設現場でもKOMATSUの建設重機がインターネットにつながっておりビッグデータを活用しています。最近では漁師もiPadを持って船に乗る時代です。

北海道留萌町の漁師たちはiPadを片手に漁にでかける

しかし残念ながら「学校の教室」は、ほとんどインターネットにつながっていません。学校において職員室とPC教室はかろうじてインターネットにつながっていますが、生徒が学ぶ空間として大半を過ごす普通教室にはほとんどインターネットにアクセスできない環境にあります(なお平成21年より文部科学省は学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止としています)。

またPISA(経済協力開発機構による国際的な生徒の学習度到達調査)によると「学校ではパソコンを使える状態ですか?」という問いに対して日本は47か国中39位、「家ではパソコンを使える状態ですか?」という問いにいたっては47か国中46位という結果でした。

子どもたちがパソコンを使う環境が学校にも家庭にもない状況下、このまま日本は技術立国という道を歩いて行けるのか不安になります。高校でのプログラミング必修化は平成34年からと決まりましたが、世界に比してやや遅きに失した感が否めません。

また「情報」の教員免許を持っている教員の採用はわずか0.9%に留まっており、体制づくりにおいても今後の課題は大きいでしょう。学校のICT環境が整うことを待つより、まずは家庭から体制づくりをすることが重要です。

コンピューターウィルスやワンクリック詐欺、ネットでの誹謗中傷など、インターネットにおいてマイナスな情報も多いため、子どものうちからインターネットを活用することを危惧する家庭も多いでしょう。しかし、「インターネットは怖いもの」という思い込みを捨てて、「正しい情報リテラシーを学べば、とても便利なもの」と教育していくことが大切です。

この点においては公教育の体制が整うことを待つより各家庭で先行して情報リテラシー教育をすることが重要ではないでしょうか。