(写真左から)自動車経済評論家の池田直渡氏、モータージャーナリストの岡崎五朗氏、JBpress autograph編集長の鈴木文彦(撮影:榊水麗)
「脱炭素=電動化」という分かりやすい構図が行き詰まった現在、日本自動車産業の対応はどう評価されるのか? 自動車経済評論家の池田直渡氏とモータージャーナリストの岡崎五朗氏がJBpress autograph編集長・鈴木文彦とともに、自動車業界のニュースを一般的な報道とは異なる視点で語る動画番組「JAPAN INNOVATION CHANNEL(イノチャン) みんなが言わない自動車NEWS」。今回は、豊田自動織機の上場廃止に関するニュース、自動車業界における地球温暖化対策の見直し、中国リスクへの対応といった話題を取り上げた。
日産への批判と会社法
鈴木文彦 「みんなが言わない自動車NEWS」の第2回では、まず最近のニュースを取り上げたいと思います。
岡崎五朗氏(以下敬称略) その前に、「みんなが言わない自動車NEWS」というタイトルについて、改めて説明しておきたいのですが、逆張りで注目を集めようというものではありません。昨今のメディアはバズワードに弱いんです。ギガキャストやEV、SDVといったキーワードを掲げて、それに向かってみんなが一斉に突き進むのが正しく、そうではない企業は周回遅れだと報道し続けてきました。4年前に「トヨタのハイブリッドは座礁資産」と書いた経済誌の記者もいましたが、現実は全く違いました。
池田直渡氏(以下敬称略) メディアは「王殺し」の物語が大好きです。ディスラプションが起きて勢力図が変わるというストーリーに仕立てたがる。でも、そんなストーリーは歴史上そう何回もあるわけじゃありません。それが毎年のようにニュースで語られること自体が、ある種のポルノなんです。
鈴木 とはいえ、最近もやはりEV関連のニュースは多いですね。私、個人的にはスズキの「eヴィターラ」やスバルの「アンチャーテッド」など、日本メーカーから普及価格帯のエンジン車とも十分に渡り合えそうな利便性を備えた小型EVの発表が続いていることに注目しています。
スズキ eビターラ「Z(アークティックホワイトパール ブラック2トーンルーフ)」 スズキ eビターラ(出所:スズキ)







