北海道帯広付近の渓流周辺にて。この記事ではクルマ、旅、中小企業が絡み合います
今年も11月15日(土)、16日(日)Aichi Sky Expoにて、日本最大級の暮らしと遊びの総合展示会「FIELDSTYLE」が開催される。そして今年も中小企業経営者のためのコミュニティ「どうだい?」は出展。しかも同イベント最大規模のブースを確保し「どうだい?」がサービス開始以来、4年弱で知り合った企業を集め、10万人を超える「どうだい?」のユーザーも招待する。そんな大規模プロジェクトの打ち合わせの場所は……北海道の大自然のなか! そしてこの打ち合わせにYouTubeチャンネル「RISA RISE / りさらいず」のRISAさんも合流した。果たして何が起こったのか?
今回の旅はここさっぽろテレビ塔から始まる
じゃあ、打ち合わせは北海道で
昨年につづいて、私たちJBpressオートグラフは2025年も11月15日、16日に開催されるFIELDSTYLEに向けてのFIELDSTYLE実行委員の代表であり、このイベントの生みの親でもある清水俊英さんと、社長同士のコミュニティサイト「どうだい?」のコミュニティマネージャーとして、FIELDSTYLEでもどうだい?ブースを取り仕切る宮本陵太朗さんとの打ち合わせに誘ってもらった。
ものづくりに思い入れがあり、この両者の取り組みには大いに注目している編集部は、これを断る理由もない。また、その打ち合わせが会議室で行われるようなものではないことも承知の上だ。
清水さんにはFIELDSTYLEがプロデュースという形で協力する10月11日、12日に開催されたイベント「INSPARK 2025」の打ち合わせのため、北海道苫小牧市に向かう予定があった。
一方、どうだい?は、9月11日(木)の夜にどうだい?ユーザーの交流会を札幌で開催する予定があり、9月12日(金)の午前中には、どうだい?として協賛している札幌で開催される大型複合ビジネスイベント「NoMaps」に合わせて、オンラインセミナーのライブ配信が決まっていた。そこで、続く9月13日、14日、15日の連休を利用して、清水さんと合流し、打ち合わせをしながら北海道を旅しようではないか、とそんな話になったのだ。
であれば、せっかくの連休。フライフィッシングを楽しもうというのが清水さんからの提案。さらにここに、ゲストとして、登録者24万人、北海道の人気YouTubeチャンネル「RISA RISE / りさらいず」のRISAさんも誘おう。拠点は、帯広の南、中札内村にあるグランピングリゾート「フェーリエンドルフ」にしよう、とトントン拍子で予定が決まっていった。
「ひとりのイベント主催者としてNoMapsも気になる」ということもあって結局、清水さんは9月11日には札幌入りし、2日間、どうだい?ユーザーとも交流した後、9月13日の朝、FIELDSTYLE&どうだい?チームは札幌市内を出発し、帯広へと向かった。
今回は、この旅とどうだい?がFIELDSTYLE参加に込めるおもいをお伝えする。
旅の途中に立ち寄った日勝峠にて
キャンピング仕様のジープ グラディエーターがレンタルできる!
清水さんは一年中、日本全国を移動している人物だ。FIELDSTYLEに出展してくれそうな様々な企業・つくり手を見つけ出し、FIELDSTYLEに誘うだけでなく、時に一緒に遊び、出会いや交流の機会をつくっている。
現在、その移動の足であり、オフィスでもあり、またしばしば宿泊地ともなっているのが、カスタマイズ済のメルセデス・ベンツ スプリンター。
清水さんの愛車、メルセデス・ベンツ スプリンター。今回はFIELDSTYLE開催目前とあって、愛知県から北海道まで、途中、様々な出展者・関係者の元を訪れながらやってきた。このクルマ、室内は贅沢なベッドルームになっていて、仕事も宿泊も快適にこなせる。都市部では車両後部に積んでいる自転車で移動する
一方、清水さんとともに北海道を旅する宮本さんが今回、用意したのはキャンピングカー仕様のジープ グラディエーターだった。
キャンピングポップアップシェルを展開した状態のジープ グラディエイター。背景は北海道庁赤れんが庁舎。どうだい?のオンラインライブセミナーはここから配信された
このクルマ、株式会社シンオーという横浜市に倉庫とトラックヤードを持ち、住宅建材の加工販売や日本食の輸出といった事業を展開する企業が最近、北海道で始めたレンタカー事業「SAMURAI CRUISER」のクルマ、つまりレンタカーだ。
本業の傍ら、冒険家と言っても過言ではないシンオーの代表、宮城泰雄さんが自らの経験を活かして選んだクルマを、同じ冒険好き、アウトドア好きのためにレンタルしているのだ。現在のラインナップはジープ ラングラー、ジープ グラディエーター、トヨタ FJクルーザー。ジープブランドの2車種についてはカスタム済みだ。
宮本さんは以前から、どうだい?を通じて宮城さんを知っていて、今回、この宮城さんの新ビジネスを味わってみることにしたのだった。
写真中央が宮城泰雄さん。写真はどうだい?より
第二次世界大戦時に軍用車として生まれた、そもそものJEEPの血を現在もっとも色濃く受け継ぐのがラングラー。そしてそのピックアップトラックバージョンであるグラディエーター。
現行のグラディエーターは2021年末に日本発売となり「ジープ ラングラー アンリミテッド」比でホイールベースを480mm、全長を730mm延伸して、広い荷台を確保している。

SAMURAI CRUISERバージョンでは、この荷台にフォーホイールキャンパー社製キャンピングポップアップシェルを架装しており、シェルを跳ね上げれば内部で立てるほど高い室内高を実現。バンクベッド部(車両上部のベッド用スペース)にはスライド式の2人分のベッドが備え付けられている。また、このシェル内にも電源システムが搭載されているので、そもそも5人乗り、そして3,490mmという長大なホイールベースのグラディエーターの居住性もあわせて考えれば、家ごと移動しているような感覚だ。
スプリンターと比べると小型に見えてしまうが居住性については十分以上なうえ、写真のような細い農道でも意外と余裕がある(北海道なら特に)
ボディサイズは全長5,600×全幅1,930×全高1,850mm(格納状態のキャンピングポップアップシェル込だと約2,200mm)とさすがに大きい。ただ、そもそも車両感覚をつかみやすい四角いボディ形状と北海道という広大なフィールドであることを考えれば、これはそこまで苦になるようなものでもなかった。
ハンドル操作に対するクルマの反応は敏感な部類だ
車両重量は公式のスペック表にある2280kg+架装・カスタム分となるので重たい。ただ、V型6気筒、3.6リッター、最高出力284PS(209kW)/ 6,400rpm、最大トルク347Nm / 4,100rpmというスペックのエンジンは、これだけの重量に対しても全然、余裕がある。なにより魅力的なのが、このエンジンは今どきめずらしい自然吸気エンジンというところ。思想的には泥の中でも、ちょっとした川でも、岩場でも走れるようにつくられているわけだから、操作に対して一貫した、繊細なエンジン特性は必須、ということでの選択なのだろうけれど、オンロードでもその反応のダイレクトさが楽しい。8段ATの制御も巧み。操作に対して予想外のことが起こらない。
ある程度の速度で巡航できればコーナリング時も挙動にも違和感はない
とりわけ、これだけの巨体を誇るラダーフレーム構造のクルマに大きなキャンピングシェルまで乗せているのに、速度にのってくるとピタっと安定するのは痛快。さすがに、通常のモノコック構造のSUVと比べてしまうと、特に低速領域で微妙にうねった路面などではクルマのフレーム部と上屋の動きがちぐはぐになる場合はあるし、オンロードではリアにもうちょっとねばり感が欲しいところはあったけれど、そこはもう、そういうものとして楽しむべきだろう。これらの特徴は、このクルマが世界最高峰のオフロード走破性能を誇る、という事実の証拠でもあるのだから……
この程度のオフロードはこのクルマにとっては舗装路も同然
そして、このクルマがレンタカーで味わえるというのはなんともスゴいことだ。いまやメーカー希望小売価格は960万円。そこを分割払いでなんとかしても、1ナンバー車ゆえ保険や高速料金は高くつくし、車検を毎年通さねばならないという、付き合っていくにはそれなりの覚悟を求めるクルマだからだ。


