クラウン エステート PHEVモデルのプロトタイプ

サーキットと一般道で試乗

 パワートレインはハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)の2種類のみ。PHEVでは最大89kmのEV走行が可能とのこと。クラウンシリーズは全車レギュラーガソリン仕様というところが、なんともトヨタらしい配慮にも思えてしまいます。燃費はHEVのほうがPHEV(20.0km/L)よりややよくて20.3km/L。PHEVはEV走行している時に燃料を一滴も使わないものの、エンジンが始動するとHEVよりも200kg弱重い車両重量が足を引っ張るからです。なお、駆動形式は後輪をモーターのみで駆動するE-Fourの4WD一択です。

クラウン エステート Z(HEV)

 今回は、サーキットでプロトタイプを、一般道で量産型を試乗する機会がありました。どちらの舞台でも、印象の多くを占めたのはクロスオーバーとセダンの中間にあるような乗り味です。重厚感のようなものがありながらも、ステアリングを切ったり加速したりする場面では思ったほど重さを感じずに、レスポンスのいい反応を披露してくれました。スポーティというよりはロングドライブを楽しむグランドツアラー的な雰囲気に近いように思います。

インテリアの風景は他の兄弟と基本的に同じ。ただし、ドライブモードは「ノーマル」「スポーツ」に加えて「リヤコンフォート」が追加されている。リヤコンフォートモードは乗り心地や快適性を重視したセッティング

 これでとりあえず4兄弟が出揃ったことになりますが、どれも「クラウン」という大きな枠の中に入っていながら乗り味が微妙に異なっていて、ボディ形状によってきちんとキャラクターが作り分けられていることに感心しました。これもまた、新型クラウンの評価すべき点かもしれません。