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『月刊ロジスティクス・ビジネス』の「物流企業番付」が発表された。コロナ禍の巣ごもり特需が収束し、パイの奪い合いが激化しつつある中で、今回はフランス系の企業が初めてトップに躍り出るなど波乱の幕開けの様相。この番付から読み取れる上位企業の特徴と業界動向とは? 同誌副編集長で物流メディア「ロジビズ・オンライン」編集長の藤原秀行氏に聞いた。

約2000社を対象に調査した「物流企業番付」

――『月刊ロジスティクス・ビジネス』で発表された「物流企業番付」は約2000社を対象に調査しているそうですね。

月刊ロジスティクス・ビジネス

2001年に創刊したロジスティクス管理の専門誌。 一般経済紙よりも深く、物流業界紙よりも広い視野から、独自のビジネス情報を発信。

藤原秀行氏(以下敬称略) 2003年から毎年掲載しているもので、物流企業の売上高上位約2000社を調査して、ランキング化しています。今回は調査対象約2000社のうち、分析に必要な全ての数値を把握できた1870社の過去3期分の単体業績を基にして、「安定性」「成長性」「収益性」を評価しました。

 評価の指標としては、売上高と営業利益で「安定性」、売上高と営業利益それぞれの伸び率で「成長性」、累積利益率と1人当たり収益額で「収益性」の3項目を割り出し、各項目を指数化して総合評価をしています。1人当たり収益額は、収益額を正規社員と非正規社員の合計人数で割って算出しています。

――今回の番付からどのようなことが読み取れますか。

藤原 1870社の売上高の単純合計は前期比で1.1%減の23兆8467万円、当期利益額は同3.1%の減7947億円となりました。2021~2024年はコロナ禍に伴う巣ごもり消費の拡大、国際物流の混乱による海上・航空運賃の高騰の恩恵を受けた企業が上位に名を連ねていましたが、今回はそうした傾向から潮流の変化が出てきたように感じられます。