民間企業によるロケット開発、人工衛星を利用した通信サービス、宇宙旅行など、大企業からベンチャー企業まで、世界のさまざまな企業が競争を繰り広げる宇宙産業。2040年には世界の市場規模が1兆ドルを超えるという予測もあり、成長期待がますます高まっている。本連載では、宇宙関連の著書が多数ある著述家、編集者の鈴木喜生氏が、今注目すべき世界の宇宙ビジネスの動向をタイムリーに解説。

 第9回は、堀江貴文氏が「九州宇宙ビジネスキャラバン2024北九州」で語った、日本が誇れる宇宙産業のサプライチェーンの強みを紹介する。

本稿は「Japan Innovation Review」が過去に掲載した人気記事の再配信です。(初出:2024年10月10日)※内容は掲載当時のもの

堀江貴文氏が「九州宇宙ビジネスキャラバン2024北九州」で語ったこと

インターステラテクノロジズが開発中の「ZERO」は、全長32mの2段式液体燃料ロケット。ⒸInterstellar Technologies


 日本の民間単独開発のロケットとして初めて宇宙に到達した「宇宙品質にシフトMOMO3号機」は、インターステラテクノロジズ(北海道広尾郡)によって開発され、2019年に打ち上げられた。堀江貴文氏がファウンダーを務める同社は今、次世代機となる小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」を開発中であり、2024年度以降の初号機打ち上げを目指している。

 堀江氏は、2024年8月に福岡県北九州市で開催された宇宙ビジネス振興イベント「九州宇宙ビジネスキャラバン2024北九州」に登壇し、インターステラテクノロジズの展望と、国内宇宙産業におけるサプライチェーンの重要性を説明した。当記事では、以下にその講演を要約して掲載する。