2020年、世界経済フォーラム(WEF)が技術革新をリードする先進的な工場を指定する「Lighthouse」に、日本で初めて選出された日立製作所の大みか事業所。これまでの製造DXの知見を生かし、事業成長と環境負荷低減を両立させるGX(グリーントランスフォーメーション)実践のハブとなっている。同事業所を中心とした日立グループのGXの取り組みについて、GX事業推進部部長の沖林久徳氏が語る。

※本稿は、Japan Innovation Review主催の「第12回 ものづくりイノベーション」における「特別講演:製造業におけるカーボンニュートラルに向けた取り組み~製造DXから環境経営GXへ~/沖林久徳氏」(2024年9月に配信)をもとに制作しています。

日立グループが推し進めるグリーン戦略の2つの柱とは

 1910年の創業以来、「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念に基づいて、変革と挑戦を続ける日立グループ。ESGにも早くから取り組み、サステナビリティ経営を進めてきた。

 その中で、環境においては「日立環境イノベーション2050」を策定し、「脱炭素社会」「高度循環社会」「自然共生社会」の実現に取り組んでいる。脱炭素社会の実現に向けては、「2050年度までにバリューチェーン全体におけるカーボンニュートラル達成」という目標を掲げる(下図)。