(写真:AP/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムの従業員が出社再開に反発していると、米CNBCが2月21日に報じた。アンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)に対し、オフィス勤務の義務化ルールを再考し、撤回するよう求めている。

5月から週3日以上の出社

 ジャシー氏は2023年2月17日、公式ブログで公開した従業員宛てのメッセージで、「少なくとも週に3日はオフィスで勤務する必要がある」と説明した。これは幹部会議で下した決定であり、23年5月1日から実施する。詳細は今後数週間で最終決定し、従業員に伝えると述べた。

 同氏は出社のメリットとして、「協力して一緒に発明することが容易になり、対面で働くことで企業文化が強化される」と説明した。

 今回の決定は、アマゾンが新型コロナウイルス感染症対策としてとってきた「柔軟な働き方」の方針とは大きく異なるとCNBCは報じている。

 ジャシー氏は21年10月の従業員宛てメッセージで、「今後もほとんどの仕事をリモートで行うチームもある。オフィス勤務と在宅勤務を組み合わせるハイブリッド型を選択するチームもある。オフィス勤務であることが顧客にとって最善と考えるチームもある」とし、「週に何日あるいは何曜日に出社する必要があるかは、会社としてあえて決めない。勤務体制は管理職であるディレクターがその幹部やチームとともに決める」と述べていた。

 それ以来、アマゾンのオフィス職従業員には、完全な在宅勤務を続けてきた人も少なくないという。

「地球上で最高の雇用主」と矛盾

 CNBCによると、従業員らは23年2月17日、ビジネスチャットツールの「Slack(スラック)」上で在宅勤務を支持するチャンネルを立ち上げ、新たな出社方針に関する懸念を共有した。4日後には参加者が約1万4000人に増えたという。