TSMCの工場を訪問したバイデン米大統領(写真:AP/アフロ)

 バイデン米大統領は12月6日、米西部アリゾナ州フェニックスを訪れ、台湾積体電路製造(TSMC)が建設中の半導体工場で開かれた式典に出席した。

バイデン氏「米国の製造業が復活した」

 米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、バイデン氏は現場視察後の演説で「これはアリゾナ州にとって信じられないほどの資産になるだろう。アメリカの製造業が復活した」と述べた。

 半導体の受託生産で世界最大手のTSMCは米国での設備投資額を拡大する。TSMCは20年11月、アリゾナ州で資本金35億ドル(約4800億円)の会社を設立すると発表。この子会社が運営する工場を120億ドル(約1兆6500億円)を投じて建設すると明らかにした。

 しかし12月6日、TSMCは建設中の工場近くで、2つ目の工場の建設を始めていることを明らかにした。総投資額は400億ドル(約5兆4900億円)で従来計画の3倍強になる。当初は回路線幅5ナノメートルの半導体を製造するとしていたが、この日、より高性能の4ナノ半導体の生産を2024年から開始すると明らかにした。加えて、2つ目の工場では26年から最先端の3ナノ半導体の生産を始めるという。

 400億ドルという金額は、外国企業による米国への直接投資としては過去最大級で、アリゾナ州への直接投資としては過去最大となる。