10~12月期の増員数「大幅に低下」

 22年9月末時点の従業員数は18万6779人で、3カ月前から1万2765人増えた。ウォール・ストリート・ジャーナルの別の記事によると、グーグルは7~9月期に米セキュリティー企業のマンディアントを買収している。これによって追加された2600人を除いても1万人以上を同四半期に増員した。この水準を超える人員増加は過去に1度しかないという。

 ただ、スンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)は今回の電話会見で、22年10~12月期の増員数は「大幅に低下するだろう」と説明した。  景気後退への懸念やネット広告市場の低迷を背景に米テクノロジー大手の間でコスト削減を進める動きが広がっている。

 これに先立つ22年9月中旬、グーグルはスタートアップを構築するインキュベーター制度「エリア120」の約半数の従業員に対し、90日以内に社内で別の職務を探すよう伝えていた。ピチャイCEOは22年7月に、年内の採用数を縮小する方針も明らかにしていた。9月初旬に開催されたテクノロジーカンファレンスに登壇した際は、「会社の生産性を20%向上させる方法を見つけ出す」とも述べていた。グーグルは22年9月、19年から提供してきたビデオゲームのストリーミング配信サービス「Stadia」から撤退すると明らかにしている。

マイクロソフトも減益

 米テクノロジー大手の多くは、新型コロナウイルス禍の際に売上高と株価が上昇していたが、最近は景気減速の影響が比較的レジリエンス(強靭=きょうじん=性)があるといわれる企業にも広がっている。

 米マイクロソフトが同日発表した22年7~9月期決算は、売上高が前年同期比11%増の501億2200万ドル(約7兆4200億円)で、純利益は同14%減の175億5600万ドル(約2兆6000億円)だった。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、増収率は過去5年間で最も低い水準。過去2年超で最大の減益率だった。