(写真:AP/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが10月11~12日に米国など15カ国で開催した会員向け大型セールは、精彩を欠く結果になったようだ。売上げや平均注文金額などが、いずれも7月に開催した大型セール「Prime Day(プライムデー)」を下回ったと、米ウォール・ストリート・ジャーナル米CNBCなどが報じた。

世帯支出額4割減、SNS言及9割減

 アマゾンは翌日に発表資料を出し、期間中に数千万人の会員が買い物をし、出品者の商品に対する注文件数が1億件以上に上ったと明らかにしたものの、販売額などの詳細は公表していない。

 しかし、データ分析を手がける米クローバーは、世帯支出額が7月のイベントに比べ40%減少したと推計している。

 米調査会社のニューメレーターは、注文1回当たりの平均金額は46.68ドル(約6950円)で、7月の60.29ドル(8980円)から減ったとみている。

 SNS(交流サイト)の分析を手がける米スプラウト・ソーシャルによると、セール開催発表後1週間におけるツイッターでの言及回数は7月のイベントに比べ90%少なかったと報告した。

 米調査会社インサイダー・インテリジェンスは、米銀大手バンク・オブ・アメリカの分析を基に期間中のアマゾンサイトにおける流通取引総額(GMV)が、7月のイベントから25%減り、80億ドル(約1兆1900億円)になったと報告した

在庫一掃に寄与か

 だがCNBCによると、今回のセールを失敗とみていないアナリストもいる。たとえ7月のイベントの実績を下回ったとしても、アマゾンは、この2日間で通常の火曜日と水曜日よりも多くの売上高を達成していると、米調査会社マーケットプレース・パルスの創業者であるジュオザス・カジウケナス氏は指摘している。「アマゾンは今回のセールで在庫を減らすことができ、うまくやったと思う」と同氏は述べている。

 アマゾンのほか、米ウォルマートや米ターゲットなどの小売大手はいずれも過剰在庫の削減に取り組んでいる最中だという。新型コロナウイルス禍で売れ筋だった商品はサプライチェーン(供給網)の混乱で納期が大幅に遅れた。商品がようやく小売業者に到着したころには消費が冷え込み、在庫が積み上がる状態になった。こうした中、小売大手はこれまで以上にセールを早期に実施し、在庫一掃に取り組んでいるという。

年末商戦のEC支出、今年の伸び率は最低水準

 前述した通り、アマゾンは10月11~12日に、「Prime Early Access Sale(プライム・アーリー・アクセス・セール)」と呼ぶイベントを米国やカナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、中国など15カ国で開催した。同社は毎年夏場に会員向け年次セール、「Prime Day」を開催しているが、こうして大型セールを年2回開催するのは今年が初めてだった。

 その理由についてCNBCは、「アマゾンは伸び悩む業績と不振が見込まれる年末商戦に直面している」と報じている。米アドビによると、22年の年末商戦時における電子商取引(EC)の消費者支出額は前年同期比で2.5%増加する見通し。これはアドビが15年に調査を開始して以来最も低い伸び率だという。