(写真:アマゾンHPより)

 米アマゾン・ドット・コムは6月13日、米カリフォルニア州で2022年内にドローン(無人機)による商品配達を始めると明らかにした。同社が米国で一般客向けにドローン配送を行うのは初めてだという。

数千点の日用品を空からお届け

 米連邦航空局(FAA)や地元当局の協力の下、サクラメントの南約65キロメートルに位置する都市、ロックフォードでドローン飛行による配達業務の許可を得た。

 ロックフォードの住民は数千点の日用品を配達料のかからないドローン便で受け取れるようになる。アマゾンのサイトで商品を注文すると、到着予定時刻と配達状況などの情報を受け取れる。ドローンは顧客宅まで飛行し、裏庭の上空でホバリングしながら高度を下げ、安全な高さから荷物を降ろして飛び去っていく。

 アマゾンは、ロックフォードでのサービスを通じて得られるデータを基に技術改良し、全米各地にサービス展開していきたい考えだ。

 アマゾンは声明で、「ロックフォードの住民は未来を定義する上で重要な役割を果たす。住民の反応・意見は、あらゆる場所に住む顧客のニーズに合わせたサービスを開発するための力になる」と述べた。

20以上の試作機を開発、衝突・墜落も経験

 アマゾンは13年から「Prime Air」と呼ぶ、ドローンを使った配送システムを研究・開発している。19年には約2.3キログラムまでの荷物を運び、30分以内に届けるように設計した自律飛行型ドローンを披露した。大人の身長ほどの大きさで、垂直離陸した後、一定の高度に達すると、回転翼をほぼ垂直に傾けて水平飛行する。安全のために回転翼を覆っているシュラウド(カバー)は水平飛行時に固定翼として機能する。こうしたメカニズムであるため電力効率が高いと、アマゾンは説明していた。

19年に公開されたアマゾンPrimeAirのドローン

 しかし米フォックス・ビジネスによると、それ以降アマゾンは試験中に何度か衝突・墜落事故を経験するなど困難な状況に直面した。