米グーグルの持ち株会社である米アルファベット傘下でドローン(小型無人機)メーカーの米ウイングは8月25日、2年前に始めた配送の商業サービスが順調に進んでいると明らかにした。
配達件数10万件到達へ
ウイングは2014年にオーストラリアで配送実験を開始。19年4月に首都キャンベラで商業サービスの実証実験を開始し、同年9月にブリスベン近郊のローガンシティでもサービスを始めた。ローガンシティはウイング最大の空の宅配拠点。最近は新たに週4500件の配達を達成するという目標を掲げ、事業拡大を図っている。数日後には世界での累計配達件数が10万件に到達するという。
同社の幹部によると、このドローン配送システムは将来、自動車による配達よりも効率的になり、コストも大幅に下がるという。
ウイングのドローンは、垂直離着陸と翼を使った水平飛行が可能だ。これに同社のナビゲーションシステムを組み合わせ、小包ほどの荷物を数分で届ける。顧客宅の上空でホバリングをし、地上7メートルまで下降。ロープを垂らし、庭や玄関前、私道などに荷物を降ろす。ホットコーヒーや料理、ドラッグストアの商品などを配達している。
数百都市へ展開視野
ウイングは、米バージニア州やフィンランドのヘルシンキでも配送サービスを展開している。米国では19年4月に運輸当局のFAA(米連邦航空局)から航空運送業の認可を取得。同年9月に米物流大手フェデックス(FedEx)や米ドラッグストアチェーン大手のウォルグリーン、地元の小売業者と提携して実証実験を開始。同10月にバージニア州クリスチャンズバーグの住民に本格的な商業サービスを始めた。宅配の荷物や市販薬、スナック菓子、文房具などを届けている。