1~3月、直営EC売上高3%減

 アマゾンが2022年4月に発表した同年1~3月期決算は、売上高が前年同期比同7%増の1164億4400万ドル(約14兆7900億円)だった。

 1~3月期として過去最高を更新したものの、伸び率は10年間で最も低い水準。直営EC事業の売上高は511億2900万ドル(約6兆5000億円)と同3%減少した。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンが16年にこの売り上げ項目を開示して以降最悪の結果だった。過去2年間コロナ禍の「巣ごもり需要」で販売を伸ばしていたが、1~3月期はその反動が出た。

 アマゾンのブライアン・オルサブスキーCFO(最高財務責任者)は生産性の損失や、インフレ、物流倉庫の過剰キャパシティーなどにより1~3月期に約60億ドル(約7600億円)の追加費用が発生したと述べた。このうち物流倉庫から発生した追加コストは20億ドル(約2500億円)だったという。

「平常化した需要に合わせて適切なサイズに」

 同社は20年と21年に物流施設に多額の投資を行い、キャパシティー不足による業務の制約を回避してきた。しかし、今はそうした問題がなくなり、コスト管理に注力しているという。「平常化した需要パターンに合わせて倉庫キャパシティーをより適切なサイズにする機会だ」(オルサブスキー氏)

 ウォール・ストリート・ジャーナルは、アマゾンが物流スペースへの投資を後退させることは珍しいと報じている。ただ、それでも今回、賃貸しなどして自社使用分を削減する予定の1000万平方フィートとは、アマゾンが所有・リースする全施設面積の約2%にすぎないと同紙は指摘している。

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