レノボや小米がロシア向け出荷停止
ロシア向けの出荷を停止した企業の中には、パソコン世界最大手のレノボ・グループがある。同社はロシアのパソコン市場で米HPに次ぐ2位。市場調査会社などによると、レノボはウクライナへの侵攻が始まり、各国による制裁措置が発動された直後に出荷を停止した。現在ロシア国内に一部在庫が残っており、それらを販売するにとどまるという。
ロシアのスマホ市場で首位の韓国サムスン電子に次ぐ小米(シャオミ)もロシアへの出荷を停止した。関係者によると、小米製品を扱っているロシアのある販売業者は、この数週間入荷がないと話している。
ドローン世界大手DJI、「軍事利用反対」を強調
一方でドローン開発の世界大手である中国のDJIは22年4月26日、ロシアとウクライナでの事業活動を一時停止すると発表した。ウクライナ情勢を巡り中国企業が活動停止を発表するのは珍しいとウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。
この発表に先立ち、米メディアなどはDJIのドローンが軍事利用されていると報じていた。また、ウォール・ストリート・ジャーナルは22年4月22日付の記事で、他のドローンを識別して追跡するためのDJIのドローン検知システム「AeroScopes(エアロスコープ)」について、ウクライナの主張として「ロシアのドローンを検知できないよう改ざんされている」と報じた。
DJIは声明で、「当社のドローンを使用して人々に危害を加えることには断固反対だ。当社のドローンを軍事利用させないため、ロシアとウクライナで販売を一時中止する」と述べた。
ウォール・ストリート・ジャーナルは専門家の話として「西側の輸出規制を軽視する中国のテクノロジー大手は、それらの国から厳しく罰せられるリスクがある」と報じている。香港の調査会社ギャブカル・ドラゴノミクスのアナリストらは「中国企業は、輸出規制に違反することによって得られるものよりも、失うものがはるかに大きい」と指摘する。
「ほとんどの中国企業にとって、ロシアは市場が小さすぎて、先進国市場から締め出されたり、自らが制裁を受けたりするリスクに見合うだけの価値はない」(ギャブカル・ドラゴノミクス)という。