デジタル人材に求められるスキル

 ものづくりにとって必要な技術全般とデジタル人材が持つべきスキルの関係を下部の図に示した。

 どの人材にとっても、共通で必要なのが「デジタルマインド」「業界知識」「機能知識」「自社知識」である。

 個別に求められる技術は役割ごとに異なる。例えば、CDOとデジタルマネジャーには、DXツールに詳しいだけでなく、社員個人の目的と企業の目的が一致していないとならないことを熟知して行動していかなければならない。そうした企業の狙いを理解した人材であり、ものづくり企業であれば現場に精通していることが求められるため、管理技術や問題解決技術は必須。そのため、ITやデジタルの知識は不可欠だが、必ずしも専門家である必要はない。

 では、CDOとデジタルマネジャーの違いはどこにあるのか。CDOには技術を企業戦略にどのように適用させ、チーム、部門、業界を超えた行動が求められ、さまざまな役割の人たちとコミュニケーションをするために“翻訳するスキル”は必須だといわれている。
 いずれのデジタル人材に求められるスキルは、DX推進にとって欠かせないものなのである。次回からは、これら7人のキャストの人材育成の進め方を紹介しよう。

コンサルタント 毛利大 (もうり だい)

デジタルイノベーション事業本部 本部長
シニア・コンサルタント


生産戦略と呼応した生産システム再構築を領域とし、新工場建設、生産プロセス再設計領域で活躍。JMACスマートファクトリー構築のコアコンセプト「TAKUETSU Plant Design Method」「スマートファクトリーイメージセル」を考案。デジタルをテコとしたものづくりのあり方、Dx推進の在り方を常に研究し続け発信。

コンサルタント 神山洋輔 (かみやま ようすけ)

デジタルイノベーション事業本部
スマートファクトリー推進室室長

入社以来、一貫して生産領域のコンサルティングに従事しており、生産戦略立案から現場改善・成果創出まで幅広い支援を行っている。
新工場建設や生産システムデザインに多くの実績あり、デジタルを活用したものづくり革新やスマートファクトリー構築支援を推進している。