客のいない「ダークストア」
20年9月にはホールフーズ・マーケットの新業態店として、宅配専用の食品スーパーを米ニューヨーク市南部ブルックリンでオープンした。この店舗には客がいない。アマゾンによると、店舗で働く数百人の従業員は迅速に注文を受け、商品を集め、配達の準備をするなど、食料品の宅配業務に従事しているという。
こうしたネット通販用日用品の物流拠点は「ダークストア」と呼ばれ、最近はこの仕組みを活用した宅配企業が増加し、競争が激化している。
例えば、米料理・食料品宅配大手ドアダッシュは21年12月6日、食料品や日用品を注文から15分以内に配達する「超速宅配」を米ニューヨーク市チェルシー地区で始めた。
米ダウ・ジョーンズのマーケットウォッチによると、ドアダッシュは米国で「ダッシュマート」と呼ぶダークストアを25拠点開設している。それぞれの施設で生鮮食料品や冷凍食品、地場産品、菓子など2000点以上の商品をそろえているという。
15分以内の「超速宅配」台頭
一方で、小売大手と宅配代行大手が提携する動きもある。20年8月にはウォルマートがインスタカートと提携しアマゾンへの対抗姿勢鮮明にした。インスタカートは米カリフォルニア州のロサンゼルスやサンフランシスコなどでウォルマートの食料品や日用品、家電製品などを最短1時間で配達している。
こうした中、最近は、15分以内の超速宅配サービスがスタートアップ企業を中心に台頭している。マーケットウォッチによると、この市場には「Buyk(バイク)」や「GoPuff(ゴーパフ)」、「JOKR(ジョーカー)」といった企業が参入している。インスタカートもこの分野に参入するとの観測が出ている。
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