ウォール・ストリート・ジャーナルによると、シャオミは13年まで中国のトップメーカーだった。だがその後ファーウェイが台頭し、首位の座を奪われた。また、米国防総省は政権交代直前の21年1月に、中国人民解放軍の影響下にあると判断した中国企業のリストにシャオミを追加。ファーウェイなどとともに投資禁止対象企業に指定した。ただ、シャオミはこの措置が違憲だとし、米連邦地裁に提訴。21年3月、米政府の措置は無効と連邦地裁が判断し、同年5月に正式にシャオミの指定解除が決まった。

華為、米規制でスマホ生産打撃

 一方のファーウェイは米政府の禁輸措置で半導体やソフトウエアの調達が困難になり、スマホを含む消費者向け電子機器の生産量が低下。21年1~6月期の消費者向け事業の売上高が47%減少した。

 米調査会社のIDCによると21年4~6月期のスマホ出荷ランキングは、1位からサムスン電子、シャオミ、アップル、中国OPPO(オッポ)、中国vivo(ビボ)の順。1年前に首位だったファーウェイは圏外に転落した。

 こうした動きを受け、欧州の通信事業者や小売業者は取り扱い端末をファーウェイからシャオミに切り替えている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによるとシャオミがいまだ開拓できていない市場は米国。同社は米国で電動キックボードやレーザープロジェクターなどを販売している。だがスマホについては米通信キャリアとのパートナーシップが十分に築けいないという。同社は、いずれ北米スマホ市場に進出したい考え。だが、当面は経営資源を欧州市場に集中させるとしている。

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