米調査会社のIDCがこのほど公表したリポートによると2021年4~6月期の世界スマートフォン出荷台数は前年同期比13.2%増の3億1320万台だった。
消費者需要は依然旺盛
スマートフォン業界は自動車やパソコン、ディスプレーなどの業界が直面している厳しい部品不足問題を経験しておらず、市場は持続可能な成長へと戻りつつあるという。
新型コロナウイルスは先行きが見えない状態が続いているが、世界の消費者需要は依然旺盛。高速通信規格「5G」対応製品の販売も好調で、スマートフォンなどのモバイル端末への支出は今後も増えるとIDCはみている。
華為が5位圏外に転落、LG電子がスマホ撤退
4~6月期のメーカー別出荷台数は、韓国サムスン電子が同9.3%増の5900万台で首位。これに中国・小米(シャオミ)が同86.6%増の5310万台で次いだ。3位は米アップルで同17.8増の4420万台。4位は中国OPPO(オッポ)で同37.0%増の3280万台、5位は中国vivo(ビボ)で同33.7%増の3160万台だった。
中国・華為技術(ファーウェイ)は1年前に首位だったが、米政府が20年9月に打ち出した禁輸措置の強化により、5位圏外に転落した。制裁発動によって、半導体などを供給する米国の部品メーカーは、事実上すべてが米商務省から許可を得ることができなくなった。これにより、ファーウェイにとって最大事業である消費者向け電子機器の生産が減少。米政府の禁輸措置によって、米グーグルの人気アプリを搭載できなくなったことも痛手となっている。