※本コンテンツは、2021年7月1日に開催されたJBpress主催「第1回 金融DXフォーラム」の特別講演Ⅳ「変化・進化し続けるSMBCグループのデジタル戦略」の内容を採録したものです。

株式会社三井住友フィナンシャルグループ 執行役専務 グループCDIO
株式会社日本総合研究所 社長兼最高執行役員
谷崎 勝教氏

4つの方向性で金融業界の環境の変化に向かう

 現在、金融業界を取り巻く環境は、大きく変化しております。ただ、足元のリモートの普及等によるデジタライゼーションの加速や業務範囲規制見直しの動きは追い風であり、異業種との金融領域における競争激化は向かい風です。また、非金融と金融のリバンドリング化、機能の組み込み化は加速しておりますが、これらの動きは、追い風とも向かい風ともなり得ます。従って、こうした大きな変化の中でいかに多くのチャンスを捉えられるかが、今後のわれわれ金融機関の重要なテーマであると考えております。

 こうした中、昨年、われわれは「最高の信頼を通じて、お客さま・社会とともに発展するグローバルソリューションプロバイダー」という新たな中長期ビジョンを掲げました。これを、情報産業化、プラットフォーマー化、そしてソリューションプロバイダー化という3つの方向性を追求することで実現してまいります。さらに、このビジョンを支えるキーワードとして「Transformation」「Growth」、そして「Quality」を挙げております。

 また、これらに基づくデジタル戦略として、「デジタル領域におけるプレゼンスの拡大」「ビジネスモデルの高度化」「ターゲット領域の深化」「対象地域の拡大」という4つの方向性を追求してまいります。これらについては、具体的な取組事例を示しながらご説明させていただきます。