2件目のテキサス州などによる訴訟では、「グーグルがネット広告配信サービス事業で自社を有利に扱うなど独占的地位を乱用して市場を不正操作した」と指摘。また、ネット広告市場で競合する、グーグルと米フェイスブックの2社が反競争的協定を結んだとも批判している。

 3件目のコロラド州などによる訴訟では、「グーグルが自社の検索サービスで、旅行予約サイトのエクスペディアや口コミ情報サイトのイェルプなど特定用途の検索を不利に扱った」と指摘するほか、ネット広告のシステムで競合を排除したと批判している。

 グーグルはこれらの訴訟に対して真っ向から反論。「主張は無意味だ。法廷で根拠のない主張から身を守っていく」などと述べ、当局と全面的に争う姿勢を示している。

アップルにもプレッシャーか

 ニューヨーク・タイムズはユタ州などが主導する、グーグルに対する今回のアプリストア訴訟は、アップルにも圧力をかけることになりそうだと報じている。

 アップルはグーグルと異なり、アプリを自社の「App Store」以外で配信することを禁じている。正規ストア以外からアプリをインストールする「サイドローディング」は悪意のあるプログラムのまん延につながり、利用者を危険にさらすとしている。

 アップルは、アプリが同社以外の決済システムを利用することを認めていない。アプリ企業は別途ウェブサイトなどで自社の決済サービスを設置することが可能だ。しかし、アプリ内にウェブサイトへのリンクを設けたり、アプリ内で告知したりすることは禁じている。前述したエピックゲームズはこうしたアプリストアの規定に不満を募らせており、20年8月にアップルとグーグルを提訴した。

 両社のアプリストアを巡っては、高すぎる課金手数料が中小アプリ開発者の事業成長を妨げているとの批判も高まっており、両社は譲歩の姿勢を見せている。

 アップルは21年1月、App Storeで得た年間売上高が100万ドル(1億1000万円)以下の企業を対象に手数料を30%から15%に引き下げた。グーグルは21年7月1日からすべての企業を対象に、Google Playでの年間売上高が100万ドルに達するまでの手数料を15%に下げた。

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