働きがい向上に取り組み始めたきっかけ
ニチレイは1945年に日本冷蔵株式会社からスタートした、冷凍食品などを取り扱う加工食品事業、水産・畜産などの肉や魚を取り扱う素材事業、冷凍食品等の保管輸配送を行う低温物流事業などで成り立つグループである。
ニチレイロジグループは、2005年にニチレイより分社化をした。当時、ニチレイロジグループは業績が低迷し、待遇面などに手を付けなければいけない状況で、従業員の士気は下がっていた。そのような環境の中で、「仕事や職場に不満を持っている人が、お客さまを満足させることはできない」という社長の考えから、ESの取り組みを始めた。CSとESが経営の両輪であるということを、トップ自ら発信したのである。
ES調査の正しい理解・活用促進に苦心
分社化をきっかけにESの調査がスタートしたが、従業員満足度は低く、現場から多くの不満が寄せられた。覚悟はしていたものの、想像よりも厳しい結果であった。
「会社は何をしてくれるのか? どんな従業員サービスをしてくれるのか?」といったような、「満足は会社が提供してくれるものだ」という考え方が、従業員の中に蔓延していたことが調査によって判明した。
また、この結果をどのようにフィードバックするかについても頭を悩ませた。フィードバックをしなければ従業員の満足度はさらに下がってしまうことは理解していたが、よいフィードバックの方法を生み出すことができなかった。
当時は8つの地域ブロックごとに集計し、結果をポータルサイトに掲載したが、集計単位が大き過ぎて、自分の働いている職場の評価として捉えられず、実感を与えるフィードバックにはつながらなかった。そもそも現場に出ていてPCを開かない社員も多く、結果自体もあまり読まれていなかった。