成功するSDGs活動の体制とは?
現在、SDGs活動については「取り組み中」のところが多く、成功モデルとなる推進体制と結果の因果関係を明らかにすることは現時点では難しい。ここでは、われわれが顧客のSDGs活動を支援、調査してきた中で気付いたSDGsの推進体制を考察する。
SDGsを推進する際には、まずマテリアリティ(会社・事業として重要課題)を決定する。これは会社・事業の戦略を決めることでもあり、将来の羅針盤をつくることに等しい。マテリアリティの決定自体が経営的にも戦略的にも大変重要な位置付けとなることは明らかである。
ただ、マテリアリティの決定で実質的な成果を狙うには、社員一人一人が目的や位置付けを理解して行動を変えていくことが重要であるため、社員を巻き込む体制や推進上の工夫も必要となってくる。また、実際の推進では、サプライチェーン上の関係者も巻き込む必要性も出てくるだろう。
つまり、このように、マテリアリティの決定によりトップとボトムが融合する体制を構築することが、SDGs活動を成功に導くことにつながる。
従って、大枠の体制として、
・マテリアリティの方向性と絞り込みを行うトップ戦略チーム
・実行計画や実行に移す各部署の推進メンバー
・活動のとりまとめ・実行支援・社内調整・内外広報などを行う事務局
という構成を組むと進めやすく、かつ実効性につながる。