積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)や確定拠出年金の適用期間が延長されることになりました。ただ、延長されたといっても「長期・分散・低コスト」という資産運用の基本に変わりはありません。

 資産運用を有利におこなうことができる期間が延びたことで、想定しているゴール(年齢)をもう少し先に伸ばすかどうか、そのくらいでしょう。これを機会に、資産運用の長い時間のなかで自分が取ることができるリスクの調節(コントロール)をどのようにしていくか、具体的に考えてもよいかもしれません。

つみたてNISAがいつ始めても20年間非課税に

 つみたてNISAはこれまで、非課税で積み立てできる期限が最長でも2037年末までと決められていました。これが、原則としていつ始めても20年間非課税になります。

 つみたてNISAが始まったのは2018年1月。当時始めていれば20年間非課税でしたが、いまから始めたとすると2037年末までで1年分(最大40万円)の投資金額が少なくなるという不公平感がありました。また、確定拠出年金も拡充される予定です。これまで原則60歳までだった掛け金の拠出期間が、企業型で70歳、個人型(iDeCo)で65歳まで延長されます。

 いずれも優遇税制を延長する施策なので、老後準備のための資産形成には基本的にメリットということができます。

「資産運用はいつやめる?やめ方は始めるより難しい」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58273)のなかで、あらかじめ自分で売却ルールを決めておこうということを解説しました。ここで説明したのは資産運用の最終段階、つまり資産を使う直前時期における対処法です。

 今回は、資産運用という長い試合の後半戦、野球でいえば中継ぎリリーフが出てくる7回、8回あたりの対処法を考えてみます。

いま自分は資産運用のどの段階にいるのか?

 最も基本になる考え方は、投資は長期間になればなるほど期待する収益を大きくできるというものです。(1)株価は上下しながらも長期的に見れば上がっていく、(2)いちど失敗しても長期投資なら再挑戦する時間が残されている――過去の実績に基づく、この2点が根拠となっています。