ネスレ日本のCMOが実践するデジタル変革

顧客の問題を解決するうえでデジタル化は不可欠

島田 薙彦/2018.10.9

いいね ツイートする

 私がこれまでやってきたことの中で大きなものは、オウンドメディア構築を含めたデジタル化の推進と、広告からPRへのシフトです。

 以前、社内のブランドサイトは30以上ありました。「ネスカフェ」だけでもブランドごとにURLがあって、消費者のデータベースもそれぞれのサイトで連携していないという問題がありました。そこで、ブランドサイト全部を一つのコンシュマーサイトに集約し、「ネスレアミューズ」というオウンドメディアを作ったのです。YouTubeには「ネスレシアター」というショートムービーを格納する場所も作りました。

 弊社の主力ブランドである「ネスカフェ」や「キットカット」の認知度は100%近くあります。そのビジネスを継続的に成長させるのに大事なことは、ロイヤリティやエンゲージメントを高めること。それは15秒や30秒のコマーシャルで認知を増やすことではない。それよりもブランドのコンセプトを入れ込んだムービーの方が可能性はあるな、と思ったので、そういった試みもやってきました。

 多分そういうふうに消費者コミュニケーションのあり方も進化していくと思うのです。これまでのように、テレビ広告を打っておしまい、というコミュニケーションしかない時代は終わっていると思います。

 広告におけるデジタルメディアの比率はずっと上がってきていて、2012年には1割程度だったのが、2017年で4割、2018年はもう5割を超えてしまっています。トラディショナルなメディアからデジタルへのシフトがかなり急速に進んでいます。

 もう一つ、広告からPRへのシフトというのは、ニュースを発信することにより、企業からではなく、第三者から情報を消費者に伝えてもらうということです。PRへのシフトはかなりプッシュしてきましたが、ニュースづくりは大事ですね。その媒体としては、これまでトラディショナルなメディアが主体でしたが、最近はデジタルメディアへのアプローチも増えてきています。