以下にLPWAの応用例をいくつか挙げておこう。かなり広範囲にわたることがわかるはずだ。

  • 川の氾濫、崖の崩落、ダムの決壊、公共インフラの崩壊などの予知・監視
  • 大気中や森林、土壌、海洋、河川、湖沼などの環境汚染モニタリング
  • マンホールの水位測定、漏れ電流やガス漏れの検知などの遠隔監視・保守
  • 工事・建築現場における異常監視や作業管理
  • プラントにおける故障・異常監視、工場における設備監視
  • 石油・天然ガスのパイプライン監視
  • 街灯の点灯・消灯の遠隔制御(スマートライティング)
  • 街角の防犯カメラで撮られた映像の収集・分析
  • ショッピングモール、イベント会場、テーマパーク、観光スポットにおける安否確認や避難誘導
  • 登山やスキーでの遭難者の検知・救助
  • AEDのバッテリー残量チェック
  • エレベータ、エスカレータの遠隔監視
  • 厨房機器の温度や電動モーターの遠隔監視
  • 電力・水・ガスの使用量を計測・制御するスマートメータリング(遠隔自動検針)
  • 自動販売機の売上・在庫遠隔監視
  • トラック、タクシー、バスの追跡(トラッキング)、配車、運行と物流管理
  • コネクテッドカー、交通監視・制御
  • 自動車・自転車の駐車管理(スマートパーキング、シェア自転車)、盗難防止
  • ゴミ収集の効率化
  • 水田、ビニールハウスなど農業における温度、湿度、肥料状態などの測定による自動灌漑、給水管理
  • 農業作物の栽培・品質管理、牧場の家畜見守り・放牧管理
  • 鳥獣被害の検知・防止
  • スマートシティやスマートコミュニティ
  • 児童や高齢者の見守り、徘徊検知
  • 健康、フィットネス、福祉、介護などを支援するヘルスケア、ウェルネス
  • 家電の遠隔制御などによるホームセキュリティ、ホームオートメーション
  • ウォーターサーバーの補給時期の把握
  • ホテルやレストランにおけるタクシー呼び出し
  • ウェアラブル機器からの各種情報収集
  • 兵器、不発弾、地雷などの検知
     

LPWAがIoT普及の起爆剤に

 前述した用途は、あらゆるモノがネットワークにつながる「IoT(Internet of Things、モノのインターネット)」の応用例や実証実験例として聞き覚えがあるものかもしれない。それもそのはずである。IoTとLPWAは密接に関係しているからだ。

図1 一般的なIoTのシステム構成とLPWAの位置づけ

 図1にIoTの基本的なシステム構成を示した。システムの末端部分を構成するのは、スマートフォンや家電などのセンサーを搭載したデバイス群。デバイス群からのデータは中継ノードを経てサーバー群(クラウド)に集められる。ユーザーはサーバーに蓄積した大量のデータを分析し、自然災害対策、物流・輸送管理の効率化、生活の利便性向上などに応用する。このうちLPWAを用いた無線センサーネットワークは、センサーを搭載した多様なデバイス群と、データを蓄積するサーバー群とを結ぶ役割を果たす。