マイクロチップはペットに有効? 日本獣医師会に聞いてみた

IoT社会でペットの暮らしはどう変わるのか

Takako Funayama (Seidansha)/2017.1.11

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15歳未満の子供の数より、犬、猫などのペットの数が上回る「ペットブーム」の今。大切な家族の一員であるペットの未来を考えてみた。未来は人体にマイクロチップが埋め込まれるかも?

現状でペット自身に関わるIoTといえば、マイクロチップだ。
ペットに使われるマイクロチップとは、生体適合ガラスでできている直径2㎜、長さ8〜12㎜ほどの円筒形で、内部にIC、コンデンサ、電極コイルが入っている。このガラスのカプセルで包まれた電子標識器具を皮下に埋め込み、リーダーで情報を読むというシステムになっている。

日本獣医師会に聞くと「埋め込みは獣医療行為にあたるので、動物病院の獣医が行い、方法は一般的な皮下注射とほとんど変わりません。過度な痛みはないので麻酔や鎮静剤も通常は必要がなく、鳴き声をあげるペットは少ないです」(日本獣医師会・中村 燈氏)

犬、猫の場合は背側頚部(首の後ろ)の皮膚と筋肉の間に埋め込まれ、動物の体の中を移動しないように特殊な加工がされている。「筋肉組織に入り込んだり、内臓に影響を与えるということはまずないと言っていいでしょう」

マイクロチップ自体は電源を必要とせず、電池の交換は必要ない。1度埋め込めば、脱落や消失することはほとんどなく、データが書き換えられることもないので、半永久的に使用できる。電波も発していないので、生体の負担は限りなく少ないと言っていいだろう。

マイクロチップ・日本獣医師会

ペットの身分証明として世界中で活用

環境省の「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」で犬、猫などの動物の飼い主、所有者は、自分の所有であることを明らかにすることが定められており、マイクロチップの装着が推奨されている。

特定動物(危険な動物)や特定外来生物にはすでに個体識別措置が義務化されているが、犬、猫へのマイクロチップ装着は、現段階では「動物を飼っている人も飼っていない人も共生できる社会のため」の努力義務だ。ペットの身分証明として世界中で使用されていて、日本では累計約144万匹の犬、猫などのペットに使われているという。

マイクロチップは基本的にそれだけでは機能しないもの。飼い主のデータを登録して初めて、迷子の犬や猫が飼い主のもとに無事帰れるように利用できる。世界で唯一の15桁の数字(個体識別番号)が標識され、動物病院、保健所、動物保護施設、警察が専用のリーダーで読み取る。

1996年にISO(国際標準化機構)規格に沿って世界的な規格統一がされているので、日本以外でも個体識別が可能だ。北欧諸国では世界に先駆けてマイクロチップを義務化している。またイギリスでは、シェルターに保護された動物にはマイクロチップを装着してから譲渡するシステムが確立されている。