(写真:REX/アフロ)

 景気後退への懸念やインフレの進行により、パソコン市場が過去数十年で最悪の落ち込みに見舞われていると、米ウォール・ストリート・ジャーナルが10月14日に報じた。

PC市場低迷で業績に深刻な影響

 企業や政府機関、消費者はパンデミック時にパソコンを大量に購入していたが、今では相当の規模で買い控えの動きが広がっているという。

 米デル・テクノロジーズのクライアントソリューションズグループ担当プレジデントのサム・バード氏は「我々が前四半期に見たのは、企業による支出の一時停止だ。消費者も同様に支出を抑えている」と述べた。

 パソコンや半導体メーカーは市場の低迷が業績に影響を及ぼしたと説明しており、多くの場合は予想されていたよりも深刻な状況だと、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。

 米HPの2022年5~7月期の売上高は前年同期比4.1%減の146億6400万ドル(約2兆1800億円)だった。消費者向けパソコン事業の売上高は同20%減少した。

 デルの22年5~7月期の売上高は前年同期比9%増の264億2500万ドル(約3兆9300億円)と、プラス成長したものの、伸びは過去6四半期超で最も低い水準だった(ロイター通信)。

 米インテルは主力のパソコン向け半導体事業が振るわない。22年4~6月期の決算では、4億5400万ドル(約675億円)の最終赤字に加え、過去10年超で最大の減収を報告した。パソコン向けを中心とする「クライアントコンピューティング」部門の売上高は、前年同期比25%減の76億6500万ドル(約1兆1400億円)だった。