マネーフォワード執行役員 グループCSOの山田一也氏(撮影:今祥雄)

 バックオフィス領域全般に30以上のプロダクトを展開し、SaaS業界を牽引してきたマネーフォワード。今、業界でささやかれる“SaaS is Dead(SaaS終焉論)”に対し、同社CSO(最高戦略責任者)の山田一也氏は意外な未来を予見する。SaaSの価値はどこへ向かい、AIエージェントがデジタルワーカーとして普及する時代に、企業はどう生き残るのか。「No.1バックオフィスAIカンパニー」を目指すと宣言した同社の成長、そしてそれを実現する戦略に迫る。

SaaSはなくならないが、価値の重心は移り変わる

――現在のSaaS市場は、すでに成熟期に入っているという見方もありますが、どのように捉えていますか。

山田 一也氏(以下敬称略) 日本のSaaS市場は、まだ拡大期の真っ只中にあると考えています。

 長らくオンプレミス(自社所有)型やフルスクラッチ(一からの)開発が主流だった日本では、SaaSの導入比率はまだ高いとは言えません。むしろ、AI活用がもはや当然となった今こそ、SaaSへの移行がさらに加速するはずです。

 なぜなら、インターネットに接続されていないオンプレミス型システムは、外部のAIエージェントと連携しにくく、AIの恩恵を十分に享受できないからです。「AIエージェントを活用したい」というニーズの高まりが、レガシーシステムからSaaSへの乗り換えを後押しする。これが、これからの市場拡大のドライバーになると見ています。

――一方、生成AIやAIエージェントの台頭により“SaaS is Dead”といった議論も耳にします。これについてはどう受け止めていますか。