写真提供:Pool/ABACA/共同通信イメージズ
「失われた30年」と言われる日本経済。しかし、逆境下でも成長し続ける企業がある。彼らはなぜ躍進を続けるのか。停滞する企業との決定的な違いは何か。184社の日本企業の業績を基に、強い企業の共通点を導き出した『高成長体質になる』(日経BP)から一部を抜粋。高い成長率を誇る企業が備える「組織能力」を解き明かす。
孫正義氏のソフトバンクやイーロン・マスク氏のテスラは、壮大な志を軸に「狂気の目標」を社員と共有し、非連続な成長を実現してきた。その原動力となる組織能力とは?
狂気は未来志向のエネルギー源
『高成長体質になる』(日経BP)
狂気とは具体的に何を指すのか。それは多くの場合、「目標」とともに語られる。
売上高、利益、それらの伸長率、商品のシェア、顧客数、販売数、時価総額などに関して組織として掲げる非連続な目標。具体的には「売上高2倍」「市場占有率を10倍にし、業界トップに」といった、現状の延長線上ではない、市場を破壊するレベルの途方もない数字だ。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が創業間もない頃に、ミカン箱の上に立ち、「豆腐を1丁、2丁と数えるように、売り上げを1兆、2兆と数えるような会社にする」と社員の前で高らかに宣言したのは有名な話だ。例えばこのような目標が狂気である。
創業間もない企業ならともかく、歴史が長く、規模も大きな企業が「狂気の目標を掲げる」と聞くと、「現状の延長線上ではない数字目標を立てるなんて無謀だ」「組織が混乱してしまうのではないか」と思う人がいるかもしれない。
だが、狂気は無謀と異なる。無謀とは「成功確率ゼロ」の挑戦だ。たとえどんなに細くても、突破できる道があるなら、それを見つけ出し、挑むのが狂気である。狂気の目標は、当然、既存のルールや仕組みに依存していては達成できない。それまでの常識を破壊し、これまでと全く違う取り組みをゼロから発想することが必要になる。ファーストリテイリングの柳井氏は「企業成長の3倍ルール」を提唱する。






