写真提供:日刊工業新聞/共同通信イメージズ
戦後の成長を支えた「機械工業」は、技術の粋を集めた日本のものづくりの象徴であり、今なお大きな可能性を秘めている。本稿では『機械ビジネス』(那須直美著/クロスメディア・パブリッシング)から内容の一部を抜粋・再編集。さまざまな産業における機械ビジネスの真価を探る。
宇宙開発が盛り上がりを見せる中、国内外ではどのような取り組みが始まっているのか。日本企業の技術力が大きく貢献した事例を紹介する。
宇宙システムで社会課題を解決する
『機械ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)
少子高齢化、労働人口の減少、頻発する自然災害、国同士のパワーバランスの急激な変化、テロやサイバー攻撃などの脅威の出現、地球温暖化など、私たちが抱える課題解決に向けて、「地球観測衛星データ」を活用したビジネスは広がりを見せています。
経済産業省による「国内外の宇宙産業の動向を踏まえた経済産業省の取組と今後について」から、そうした国内外の取り組みを7つほど紹介します。
① 経済活動の分析と可視化〈SPACEKNOW(アメリカ・チェコ)〉
中国の工場地帯などを写した、何億枚という膨大な数のリモートセンシング(モノに触れずに計測する技術)画像をAIで解析することで、中国の正確な経済指標を作り、情報機関・金融機関・投資家向けに販売。
② インフラ監視サービス〈Picterra(スイス)〉
地理空間情報プラットフォーム上で衛星画像を活用することで、輸送・インフラ・エネルギーネットワーク情報を監視するサービスを提供。
③ 洪水の被害規模予測〈ICEYE(フィンランド)〉
電磁波を地表に向けて照射し、跳ね返ってきた電磁波を受信して解析することで、地表の状態を映像化し、豪雨による災害リスクを常時モニタリング。大雨が降った際は、撮影から24時間以内に浸水エリアと想定される深さの情報を提供。ほかにも、災害時の保険金支払いを目的に、保険会社へデータを提供している。






