brand3 GIORGIO ARMANI

シャツ¥38,500/ジョルジオ アルマーニ(デ キリコ)

生涯現役を貫く「モード界の帝王」

 去る7月11日に90歳を迎えた、「モード界の帝王」ことジョルジオ・アルマーニ氏。1975年に自らのレーベルを立ち上げ、「ジョルジオ・アルマーニ社」を設立し、1980年に映画「アメリカン・ジゴロ」で名優リチャード・ギアの衣装を担当したことで、ハリウッドでブレイク。

 以降、同氏に関しては功績が偉大すぎて到底すべてを列挙することは不可能だが、80年代に入ってから現在まで、日本においてもその名が影を潜めたことはなし。

 いまだに現役を貫く鉄人だが、息が長いブランドだからこそ、過去の作品がヴィンテージ化するという側面も。1990年の春夏シーズンに作られたとされるこのレーヨンシャツも、素材の特性を活かしたリラックス感のあるシルエットと、愛らしい総柄は、まるで今シーズンリリースされたかのごとく鮮度が失われていない。

 

brand4 Zegna Sport

ニット¥28,600/ゼニア スポーツ(デ キリコ)

知る人ぞ知るスポーツ・カジュアルライン

 これまで挙げてきた、いわゆるデザイナーズブランドとは趣が異なるのが、「エルメネジルド・ゼニア」だ。1910年にエルメネジルド・ゼニア氏が、“世界で最も美しいファブリック”を作るべく、ビエラ・アルプス山麓に位置するトリヴェロに、服地工場として「エルメネジルド・ゼニア」を設立したのが、ブランドの起源。

 以降世界でも最高級の天然繊維を買いつけ、全行程を同工場で行なった最高品質の生地で、名だたるブランドを虜にしつつ、自らもその生地を使った超上質な製品を展開。いつしか“ゼニア=最高品質”は服好きの共通認識となった。

 この「ゼニア スポーツ」は、そんなメゾンのカジュアルライン。残念ながら2014年に終了してしまったが、世に残された作品は、一部の通の間ではヴィンテージとして取引されている。2000年代に入って作られたこのコットンニットも、前V仕様のヴィンテージスウェットライクな顔つきに仕立てながら、その独特の品が隠しきれていない。