brand1 Valentino Body

Tシャツ¥24,200/ヴァレンティノ ボディ(デ キリコ)

一張羅としても成立するアンダーウェアライン

 ヴァレンティノ・ガラヴァーニ氏によって1960年に設立された「ヴァレンティノ」。1962年に最初のコレクションを発表すると、すぐさま「ピッティ・イマジネ・ウオモ」で注目を集め、アメリカ市場へ進出して大成功を収める。さらに1968年のコレクションで白を基調とした、通称「ホワイトコレクション」を発表したことも契機となって一流デザイナーの地位を盤石にしたが、今作もまたそんな白に一家言もつ氏の美意識が息づいた一着だ。

「BODY ライン」と呼ばれるアンダーウェアコレクションの製品だけあって、華美な装飾がいっさい省かれているが、そのぶん極めて肌触りの良い生地の風合いが際立っている。ロゴを身生地と同色のステッチで表現するセンスもじつに令和的。

 

brand2 VERSUS by GIANNI VERSACE

ジャケット¥46,200/ヴェルサス バイ ジャンニ ヴェルサーチ(デ キリコ)

ベーシック好きにも響くセカンドライン

「ミラノの3G」の一角にして、その衝撃の最後も伝説として語り継がれる天才デザイナー、ジャンニ・ヴェルサーチ氏が、1978年に自身の名を冠した「ヴェルサーチ」を設立。以降さまざまな派生ブランドが誕生しているが、この「VERSUS(ヴェルサス)」は、同氏が1989 年に創設したセカンドライン。妹のドナテラ・ヴェルサーチ氏へのギフトのために創設されたとも言われ、今日まで呼び名がいくつか変遷しているが、生地への探求はファーストラインの「ヴェルサーチ」と同様。

 ひと目でヴェルサーチ!と主張する、あのインパクト特大なグラフィックこそ鳴りを潜めているが、パープルのリネンという大胆な生地使いによって、形容しがたいツヤ感を秘めているのはご覧の通り。どう着ても四角四面に映りようのないテーラードジャケットには、ヴェルサーチの美意識が確かに息づいている。